米イスラエルによるイラン大規模攻撃は〝容赦なし〟の様相を呈している。すでに最高指導者ハメネイ師を2月28日に殺害。イランは後継者を速やかに決めたいところだが、それがなかなかできない。後継者候補の幹部49人まで根こそぎ殺害されたからだ。選出する会合を開こうとしても、そこを攻撃されてしまうありさま。ようやくここにきて浮上した人物はというと――。
ハメネイ師は、1979年のイラン革命を率いた建国の父ホメイニ師の後を継いで89年に就任し、イランを約37年間統治した。長年の独裁者が殺害されたが、現段階でイランに混乱は起きていない。というのも、イランは個人支配ではなく、法と制度に基づいて国家が運営されているからだ。
まず大統領、司法府長官、上級聖職者の3人の高官による臨時指導評議会(暫定トロイカ体制)に最高権力を移行した。独裁体制でよく起きる権力の空白による混乱を防ぐための措置だ。
イラン憲法第111条によれば、最高指導者が死亡、辞任、解任された場合、専門家会議は可能な限り速やかに新たな最高指導者を選出し、発表する義務があると定めている。本来ならば、すぐにもハメネイ師の後継者は選出されるはずだった。
だが、米国とイスラエルは容赦がなかった。
米メディア「FOXニュース」によると、トランプ大統領は3日、記者団に「考えられていた(後継者候補の)人物のほとんどは死んでいる」と話した。作戦の初期段階でイランの後継者候補の幹部49人がすでに殺害されたという。
トランプ氏が「作戦は予定よりも前倒しで進んでいる」と明かしたのも、そのためだ。
それだけではない。イスラエル紙「エルサレム・ポスト」は3日、「IDF(イスラエル国防軍)がハメネイ師の後継者を選んでいた専門家会議の建物を完全に破壊した」と報じた。イランの次期最高指導者を選出するためにテヘランで会合を開いていた88人の専門家会議が行われていた建物を破壊したという。死傷者数は報告されていない。
後継者候補は殺害され、最高指導者を選出するために集まっても、そこを狙われるという地獄のような様相なのだ。
その後、イラン国営メディアは、安全上の懸念から専門家会議による最高指導者の選出はリモートで行い、投票方法も変更されると報じた。
そんな中、複数の英米、イスラエルメディアが、ハメネイ師の次男モジュタバ・ハメネイ師が最高指導者の有力候補だと報じている。
英国事情通は「当初、モジュタバ師は、米イスラエルの最初の攻撃で死亡したと考えられていました。しかし、ここにきて後継者候補として名前が挙がっていることから、生存している可能性が高いです。父と同様の強硬保守路線を強く支持し、革命防衛隊と密接な関係にあるとされています」と語る。
そのモジュタバ・ハメネイ師に詳しいのは英国だ。
「複数の英メディアは、モジュタバ師が英国で繰り返し勃起不全の治療を行っていたことを詳述しています。諜報機関の文書により、病院名や治療回数も明かされています。ハメネイ師の孫をつくるために繰り返し英国に長期滞在し、最終的に結婚し、子供ができたそうです」(同)
米紙ニューヨーク・タイムズによると、ハメネイ師は死去する前に秘密裏に後継者候補3人を指名していたが、もともとその中にモジュタバ師の名はなかったという。イラン政権は長らく世襲制を批判してきたからだ。しかし、有力後継者候補が次々と亡くなったことで、モジュタバ師が浮上したようだ。












