米国とイスラエルによるイラン攻撃が中東全域に拡大し、長期化しそうだ。両国の軍は2月28日、「オペレーション・エピック・フューリー(壮絶な怒り作戦)」を開始し、イランの最高指導者ハメネイ師の殺害に成功。ところが、イランも周辺国に反撃する事態になっている。紛争が長期化すればトランプ大統領も暗殺の危機にさらされることになるが、その場合に備えた同氏の〝あるメッセージ〟が注目されているという。

 約37年間も統治してきた最高指導者を失ったにもかかわらず、法と制度が国を支配するイランはスムーズに3人の高官による臨時指導評議会(暫定トロイカ体制)に最高権力を移行した。

 そしてイスラエル、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、カタールの米軍基地に向けて弾道ミサイルやドローンを発射。さらに、サウジアラビアの米国大使館やオマーンの湾岸施設、イラクの親イラン民兵組織が同国内の米軍基地を攻撃した。

 それだけではない。イランが長年支援してきたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが参戦し、イスラエルにミサイル・ドローン攻撃。また、イランかヒズボラか不明ながら、EU理事会議長国キプロスの英国基地がドローン攻撃を受けるなど、さまざまな国に飛び火し、12か国を巻き込むほど拡大している。

 トランプ氏は2日、米メディア・CNNに対し、米軍はイランを「徹底的に打ちのめしている」と述べる一方で、「本当の大波はまだ来ていない」とさらなる攻撃を示唆。戦争がどれぐらい続くかについては「長引いてほしくはない」としながらも「私は常に4週間くらいだと思っていた。そして今は少し予定より早まっている」と話している。

〝第3次世界大戦〟になりかねない有事が約1か月間続くわけだが、問題なのは、紛争が続く限りトランプ氏も暗殺の危機にさらされることだ。

 実際、イランのイスラム革命防衛隊の工作員とされる男が大統領選期間中の2024年9月に、革命防衛隊からトランプ氏を暗殺するよう命令を受けたという事件があった。

 トランプ氏は昨年2月、大統領執務室でイランに対する圧力を強める大統領令に署名しつつ、もしイランから暗殺の標的にされた場合についてこう語った。

「それは彼らにとってひどいことになるだろう。私のためではない。もしそんなことをすれば、彼らは消滅する。それで終わりだ。私は指示を残してある」

 米国事情通は「米イスラエルがハメネイ師を殺害後、欧米では、このトランプ氏の『イランは消滅する』発言がクローズアップされています。トランプ氏の指示が核兵器の使用だとすると、大統領が亡くなったら、核兵器の使用権は副大統領に移行します。死後の指示は法的拘束力を持ちません。とはいえ、ヴァンス副大統領はトランプ氏に非常に忠実ですから、指示を実行する可能性が危惧されます」と指摘する。

 最悪の結果にならなければいいが――。