米国とイスラエルは2月28日に大規模な軍事作戦「オペレーション・エピック・フューリー(壮絶な怒り作戦)」を行い、イランの最高指導者ハメネイ師を殺害した。戦争を行わずに他国の指導者を殺害するという前代未聞の作戦を行った背景と、新兵器に世界が戦慄した。
今回、米議会を通さずに米国とイスラエルがハメネイ師を殺害したのは、トランプ大統領の〝我慢の限界〟に達したからだという。
米国事情通は「トランプ氏が『イランは核兵器を持ってはいけない』という要求をハメネイ師が拒み続けたことで、ついに忍耐の限界に達したとみられています。米国とイランは核協議を続けてきましたが、トランプ氏にとっては、イランが核兵器を作るための時間稼ぎにすぎなかった。ハメネイ師の居場所が特定でき、地下シェルターに潜る前に攻撃したようです。核協議を重ねて、イランが時間稼ぎをした一方、米国は攻撃準備をしていたわけです」と指摘する。
トランプ氏は同日、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「歴史上最も邪悪な人物の一人であるハメネイは死んだ。われわれの情報機関および高度に洗練された追跡システムから逃れることができず、イスラエルと緊密に連携して行動した結果、彼や共に殺害された他の指導者たちにできることは何もなかった」と投稿した。
ハメネイ師は、1979年のイラン革命を率いた建国の父ホメイニ師の後を継いで89年に就任し、イランを約37年間統治していたが、長年の独裁体制が崩れた。
ハメネイ師の死後のイランはどうなるのか。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、マスウード・ペゼシュキアン大統領、司法府長官、そして護憲評議会の専門家の一人が暫定的に国を指導し、すぐにもハメネイ師の後継者が選出される予定だという。イランは独裁国家だが、個人支配ではなく、憲法と制度に基づいて国家が運営されているため、新最高指導者の選出には影響しないとみられる。
そんな中、今回の攻撃で、米国の新兵器のすさまじさが明らかになった。
米国事情通は「居場所が分からず、安全な地下シェルターにいるとみられていたハメネイ師が殺害されたことで、プーチン大統領から習近平国家主席に至るまで、世界の独裁的指導者たちは、安眠できなくなったといわれています。トランプ氏は国際合意も議会の承認も無視して、交戦状態になる前に電光石火で一国の独裁者を排除したのですから。とはいえ、ロシアや中国も、ウクライナや台湾を武力で奪取する自由度がより高まったととらえ、西側から批判されても〝ダブルスタンダード〟と反論できます。世界に混乱をもたらすことになりました」と語る。
電光石火の殺害を可能にしたのは、米軍が中東で増強していた「低コスト無人戦闘攻撃システム(LUCAS)」だ。初めて実戦投入したこの長距離自爆型ドローンは、一部メディアが〝ワン・ウェイ・ドローン〟と呼ぶように、文字通り一方通行、使い捨ての自爆攻撃ドローンだ。
「イランの攻撃ドローン『シャヘド136』をリバースエンジニアリング(分解し分析すること)したもの。シャヘド136は時速180キロ以上で、航続距離2000キロ。イランが米軍やイスラエル軍を攻撃した際、イスラエルの多層防空システムや米軍の地上・海上防空網も、これを防げなかったのです。そこで米軍は、シャヘド136を入手し、模倣したものが今回の新ドローンで、昨年12月に試験を行ったばかりです」(軍事事情通)
1機あたり3万5000ドルという低コストなので空母から大量投入が可能だ。「最終判断は人間が行いますが、AIが衛星画像やドローン映像、通信傍受情報などを処理し、空爆成功確率や防空網突破確率、ターゲット移動パターン予測など、これまで分析官が数日かけて行っていた統合作業を数分で処理可能です。今回、何機をどこに使ったかは不明です」(同)
米国を苦しめた兵器を模倣し、イランに対して用いてかなりの効果を上げたようだ。













