大相撲春場所は3月8日、大阪府立体育会館で初日を迎える。今場所は大関安青錦(21=安治川)が綱取りに初挑戦。初土俵から所要16場所で横綱に昇進すれば、史上最速記録となる(年6場所制以降初土俵、付け出しを除く)。安青錦は〝一発昇進〟を果たすことができるのか。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)が綱取りの行方をズバリと占った。
【秀ノ山親方・がぶりトーク】読者のみなさん、こんにちは! 春場所の一番の注目力士は、もちろん綱取りに初挑戦する安青錦です。昨年12月の九州場所で初優勝を果たし、1月の初場所は新大関で連続優勝。この2場所は安青錦の強さばかりが目立っている印象がある。低い姿勢を保ちながら前に出る相撲には安定感があるし、勝っても負けても気持ちに浮き沈みがない。心技体がそろった力士だと思います。
ここまでは壁らしい壁にぶつかることもなく、番付を駆け上がってきました。横綱になる力士には、しばらく大関で足踏みをする人と、一気に上がる人がいる中で、安青錦には後者の予感がする。相撲のタイプは全く異なるけれど、朝青龍関(大関を3場所で通過)の時のような勢いを感じるんですね。一発で綱取りに成功する可能性も十分にあるとみています。
もちろん、勝負事である以上はフタを開けてみないとわからない。15日間のうち序盤から中盤までのポイントは、格下に取りこぼしなく乗り切れるか。中でも出足の瞬発力がある義ノ富士や、大きな体と馬力でどんどん圧力をかけてくる熱海富士や王鵬のような力士には注意が必要です。一つ対応を間違うと、上体が浮いて一気に持っていかれる危険性がある。
終盤では、過去0勝4敗と歯が立たない大の里との対戦が最大の山場になると思います。横綱に右を差させず、我慢して引かせる展開に持ち込むのが理想。ただ、これまでの対戦を見る限り、相手の圧力をまともに受けてしまっている。真っ向勝負は安青錦の長所でもあるけれど、あれだけの体格差がある大の里に真っすぐ当たるだけでは勝機は見いだせません。
相手の圧力をずらしながら前ミツを取ったり、横から攻めておっつけで浮かせながら相手の重心を崩すなどの工夫が必要になってくる。攻め一辺倒の相撲ではなく、相手の圧力をうまく逃がすような戦い方ができるかどうか。それが、大の里を攻略するための糸口につながるはずです。
本場所の15日間は、自分自身との闘いでもある。終盤に綱取りが現実味を帯びてくれば、周囲の雰囲気もガラリと変わります。最大の目標にしてきた横綱の地位を目の前にしても、これまでと同じように平常心を保てるか。最後まで自分の相撲に対する信念を貫くことができれば、おのずと最高位の地位が近づいてくると思います。安青錦には悔いを残すことなく、自分の力を出し切ってもらいたいですね。それではまた!













