ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケート男子フリー(13日)で、優勝候補と目されながらミスを連発して8位に沈んだイリア・マリニン(米国)と父親について、名選手が思いを語った。

 マリニンはまさかのミスが続き惨敗。世界が衝撃を受ける一方で、演技後に父親でコーチの元フィギュア選手の父ロマン・スコルニアコフ氏が、息子の隣で頭を抱える画像が拡散。ファンから「父親なら抱きしめるべきだ」といった非難が殺到した。

 こうした事態について口を開いたのが、2014年ソチ五輪女子銅メダリストで、コーチとして活躍するカロリーナ・コストナー氏(イタリア)だ。コストナー氏はイタリアメディアに囲まれ、マリニンについて問われた。イタリアメディア「バニティー・フェアー」によると、コストナー氏は「マリニンにとっては確かにつらい試合でした。私にも何度か同じことが起こりました。その瞬間、氷の中に消えたいと思ったのを覚えています」と自身も同様の経験をしたと吐露。「嵐の瞬間には光や太陽を見るのは非常に難しいですが、人生では太陽が戻り、車輪が回ることを私たちは知っています。彼が素晴らしく唯一無二のアスリートであることは皆知っています。彼は必ず回復し、本当に何ができるのかを見せてくれるでしょう」と詩的な表現で励ました。

キス・アンド・クライで肩を落とす父ロマン・スコルニアコフ氏(左)とマリニン(ロイター)
キス・アンド・クライで肩を落とす父ロマン・スコルニアコフ氏(左)とマリニン(ロイター)

 さらにスコルニアコフ氏についても「父親でありながらコーチでいるのはとても難しい立場です。おそらく父親は彼をたくさん抱きしめたがっていて、裏ではそうしていたに違いありません。その瞬間について想像をめぐらせるのはやめておきます」と静かに語った。

 人格者で知られるコストナー氏らしいエールだ。