【イタリア・リビーニョ18日発】アルプスの銀世界で最高の輝きを放った。ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード女子スロープスタイル(SS)決勝(リビーニョ・スノーパーク)が行われ、初出場の深田茉莉(ヤマゼン)が87・83点で金メダルに輝いた。19歳1か月での優勝は、冬季五輪の日本女子史上最年少記録となった。本格的に競技を始めたのは13歳でスポーツ界では早いとは言えないが、急激な進化で頂点を勝ち取った要因はどこにあるのか――。恩師、戦友の証言から迫った。
金メダルが確定すると、自然と涙が潤んだ。1本目は転倒するも「まだチャンスがある」と気持ちを切り替えた。2本目で85・70点をマークして首位に立つと、最終3本目には大技のスイッチバックサイド1260を決め、得点の上積みに成功。「(金メダルを)首にかけた時に重みが伝わって、今まで自分だけじゃなくて、周りと一緒にやってきて良かったなと思った。日本代表として大会に出られてうれしいし、この国で生まれてよかった」と笑顔がはじけた。
冬季五輪史に新たな1ページを刻んだ深田の転機は6年前。地元・愛知で練習時に偶然、佐藤康弘コーチに声をかけられた。わずか30分の指導だったが、自身の滑りが劇的に向上。ストレートエアの高さが一気に変わった。「このコーチに教えてもらいたい」と、毎週末は埼玉の練習拠点に足を運ぶようになった。
名指導者から本格的に競技の指導を仰ぎ、瞬く間に才能が開花。深田自身の心境にも変化があった。母校・椙山女学園中(愛知)で担任だった森田麻依子さんは「ちょうど伸びてきたタイミングで『スノーボードを頑張りたい』という話は、お母さんを含めた面談か電話の時に聞いたのを覚えている。コーチに付いていくので長期で遠征に行きます、みたいな話があった」。競技への熱意が上がるにつれて、自然と競技の結果もついてきた。
好結果の裏にあったのはケタ違いの練習量だ。決して天才の部類ではないが、猛練習に耐え得る丈夫な体が武器。深田と同じく佐藤コーチに師事する岩渕麗楽(バートン)は、本紙に「どんなキツい練習も絶対にやり切れるタフさを持っている。練習もゆるまないし、最初から最後までやり切れる集中力は茉莉ちゃんの強みだと思う」と明かした。
早めに練習場へ向かい、遅くまで残って練習をこなすのが当たり前。オフシーズンでも1日約7時間汗を流す日もあった。深田は「ほぼキツいことの方が多かった。少しの成功で、やっと次に進めるような、そういう道のりだった」と回想。地道な努力が実を結び「本当にスノーボードをやってきて良かったなと心から思えた」と声を弾ませた。
今大会のビッグエア(BA)では、村瀬心椛(TOKIOインカラミ)が金メダルを獲得。女子日本勢のBA&SSは世界トップクラスの実力で、深田といえども今後の活躍が確約されているわけではない。「4年後もみんなでプッシュし合いたい。技(のレベル)も上がっていると思うので、そこで自分を超えられるようにしたい。BAもSSもいい結果で終わらせられるように、また練習をたくさんしたい」。次なる偉業へ、己を磨き続ける。













