【イタリア・ミラノ15日(日本時間16日)発】ミラノ・コルティナ五輪のスピードスケート女子500メートル(ミラノ・スピードスケート競技場)が行われ、吉田雪乃(寿広)は37秒98で13位。目標のメダルには届かずも「競技が嫌い」という変わった一面を持つスケーターは、初の大舞台で懸命に戦い抜いた。
不完全燃焼の幕切れだった。課題のスタートでで出遅れると、中盤以降もスピードに乗れなかった。ゴール後は両手で顔を覆い、表情を曇らせた。「応援してくださるみなさんに恩返ししたいという気持ちでスタートラインに立ったが、メダルを届けることができなかった。申し訳ない気持ちでいっぱい」と肩を落とした。
中学時代は陸上部に所属しながら、冬場はスピードスケートに取り組んだ。盛岡工進学後は全国の舞台で活躍。名前が知れ渡った一方で「スケートをやめて大学に行くって決めていた」。それでも、競技を続ける決断を下したのは盛岡工の恩師・植津悦典監督の存在だった。
当時の心境について吉田は「インターハイ(全国高校総体)でいい結果を出すことができたけど、これだけじゃ恩返しになってないと心残りがあった」と回想。「スケートでパッと結果を出して恩返しすると考えた時に、大学に行くというよりは、植津先生の下で指導してもらいながらやりたい気持ちが一番出た」と、高校卒業後は地元の岩手・盛岡に残って引き続き植津先生のもとで活動した。
今大会は1000メートルでも16位に沈み、思うような結果を残すことができなかった。植津先生からは「俺はここまで連れて来てもらったことが恩返しになっている」と声をかけられたが、吉田は「自分はそうは思えない。五輪でメダルを取ることが植津先生の夢であったと思うし、かなえてあげたかった」と声を震わせた。
「メダルを取ってやめるのが一番だった」と本音を口にする場面もあった。ただ、このままで終わるわけにはいかない。「この先どのような形でやるかわからないけど、前を向いていかないといけない。笑って終わるような競技生活にしたい」。五輪で味わった悔しさは、五輪の舞台で晴らすしかない。












