最近では腕時計などのデジタル機器で自分の体重や体脂肪率、血圧、脈拍、歩数などを管理する人は珍しくなくなっている。血糖変動についてもスマートフォンで管理できるアプリが登場した。開発メーカーに聞いた。

【国民病とされる糖尿病の予防や治療に役立つ】

 糖尿病とは血糖が慢性的に高い状態となる病気である。その患者数は、糖尿病予備軍も含めると日本では成人の5人に1人にもなるとされている。まさに国民病と言っていいだろう。

 糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが足りなくなったことで起こる病気である。インスリンは血糖を適切な範囲に収める働きをしているため、糖尿病になると血糖が高くなる。その状態が続くと、喉が渇いて水をたびたび飲みたくなり、尿の回数が増える。体重が減ったり、疲れやすくなることもある。

 糖尿病は合併症として心臓病になったり、失明したり、腎不全になって透析が必要になったりする。認知症にもなりやすいことが解明されている。

 糖尿病は原因によって1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、他の疾病由来糖尿病に分類されるが日本人で圧倒的に多いのは2型糖尿病だ。中年以降での発症が多く、インスリンの分泌が不足したり働きが悪いといった遺伝的な要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった要因で発症する代表的な生活習慣病である。

 逆に言えば、2型糖尿病は生活習慣を改善できれば治療や予防の効果が上がるということだ。

「そこで私どもでは血糖コントロールを可能にするスマホ用アプリを開発しました。血糖の高さの指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の目標値に向けてユーザーをアシストします」と語るのは、この血糖変動管理アプリ「グルコースフライト」を開発したヘルスケアプログラム開発ベンチャーのザ・ファージ(東京都渋谷区)の志連博彦取締役だ。

 いわば管理栄養士が常にそばにいて血糖管理のために伴走してくれるようなアプリだと言う。

【管理が難しい食後血糖が見えるように】

 血糖のコントロールは、なかなか難しい。そこでこのアプリは糖尿病の患者さんをアシストしてくれる。それだけではなく、まだ糖尿病にまでは至っていない段階の予備軍の方でも、食後血糖変動の管理に役立ってくれる。

 食後血糖は、重要な指標として注目されるようになってきた。その理由は、食事をした後には血糖が急激に上昇し、その後急降下する血糖スパイクが起こりやすいからだ。食事をした後に急に眠くなったりするのも血糖スパイクのせいだとされる。

 この血糖スパイクは、繰り返されると血管を大きく傷つけてしまうため、動脈硬化など厄介な病気に至りやすい。つい食べ過ぎたり、偏った食事をしたりするのは誰でもしてしまいがち。こうした急激な血糖変動は従来の検査ではなかなか捉えにくかった。しかし、このアプリでは血糖を常時モニタリングできるため、こうしたリスクを予防するのを助けてくれるわけだ。

 アプリは昨年5月から利用開始されている。次回は、このアプリの利用法について尋ねる。