大型補強を終えたはずのロサンゼルスに、なおもざわめきが残っている。ドジャースは21日(日本時間22日)に本拠地ドジャー・スタジアムで行われたカイル・タッカー外野手(29)の入団会見で、ロースターが「ほぼ固まった」との認識を示しつつも今オフの補強について完全な〝終幕〟を告げなかった。地元有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」が伝えたのは、むしろ「次」を予感させる含みだ。

 焦点となっているのは、会見に同席したアンドリュー・フリードマン編成本部長(49)の発言だ。同編成本部長は「まだ検討中の案件や、しばらく続いている話し合いがいくつかある。今後も強化し、深みを増していく」と語り、補強の余地を否定しなかった。一方で、先発投手の追加について問われると「そうではない」と即答。意図的に線を引いた言い回しは現有戦力への自信と、機会があれば動く柔軟性の両立を示すものだ。

 その発言の直後、メッツがブルワーズから大物右腕のペラルタをトレードで獲得。数日前までドジャースが関心を示していると複数の米メディアで報じられていた背景もあり「この期に及んで、まだ動くつもりなのか…」という声が周囲に広がるのも無理はない。

 もっとも、ドジャースの先発陣はすでに盤石だ。山本、スネル、大谷、グラスノー、佐々木という顔ぶれがそろい、スプリングトレーニング開始まで3週間余りで大枠は完成している。

 それでも、フリードマン編成本部長は扉を完全には閉じない。同紙の視点が示すのは「完成形」を誇示するよりも、常に上積みを探る王者ならではの球団文化だ。FA市場の超大物タッカーという「ラストピース」を得ても、ドジャースは補強終了を宣言しない。その慎重さこそが、MLB全体に期待と警戒を同時に呼び起こしている。