前代未聞だ。大相撲初場所8日目(18日、東京・両国国技館)、2020年1月の初場所以来、6年ぶりに天覧相撲が行われた。天皇、皇后両陛下と長女の愛子さまが貴賓席から幕内後半の取組を観戦し、2横綱2大関が全員敗れる大波乱が発生。天覧相撲での横綱大関総崩れは、戦後初の異常事態となった。中でも責任が重いのは、そろって金星を与えた両横綱だ。
豊昇龍(26=立浪)は、結び前に幕内大栄翔(32=追手風)のはたき込みに屈して通算12個目の金星を配給。「(天覧相撲で)緊張した。集中していたけど、硬かった」と悔しさをにじませた。大の里(25=二所ノ関)も結びで幕内伯乃富士(22=伊勢ヶ浜)に一方的に押し出されて完敗。「また明日、しっかり集中して頑張ります」と気持ちを切り替えた。
元横綱大乃国の芝田山親方(63)は、取材に「(横綱昇進前を含めて)天覧相撲はあまり負けたことがなかった。陛下がお越しになる時は、うちの部屋の師匠(元大関魁傑)に『簡単に勝つんじゃなくて、苦労して戦って勝ちなさい』と言われていたから。特に横綱となれば、恥ずかしい相撲は取れない。今の人たちに、その気持ちがどれくらいあるか。自覚を持ってやってほしい」と力説する。
さらに「私が番付を下から勢いよく上がっていったころに当時の天皇陛下(昭和天皇)が、春日野理事長(元横綱栃錦)に『大乃国はどうなの?』と聞いてくださったという話を人づてに聞いたことがある。直接のお言葉ではないけれど、頑張ろうという気持ちになった」と振り返った。
この日の全取組終了後には天皇ご一家との懇談の席が設けられ、横綱大関が正装で出席。日本相撲協会の八角理事長(62=元横綱北勝海)は、両陛下と力士の懇談の内容について「(両陛下からは)出身地とか『おいくつですか』という話。取組の話? みんな負けちゃったから、気を使っていたのでは…」。今後の活躍で〝名誉挽回〟を果たせるか。













