ラブホテル密会報道で昨年11月に辞任した小川晶氏(43)が再選を目指す前橋市長選(12日投開票)はどうなるのか。元市長が展望を語った。

 候補者は届け出順に元群馬県みどり市議の海老根篤氏(78)、元前橋市議の店橋世津子氏(64)、小川氏、新人で弁護士の丸山彬氏(40)、新人で農業の髙橋聡哉氏(66)の5人。当初は保守王国・群馬で山本一太知事、自民党会派の市議らが推す丸山氏の圧勝と予想されていたが、ここにきて小川氏の支持が拡大している。

「自民党の支持層も一枚岩ではない。山本知事派と中曽根派の溝がある。表向きには、そろって丸山氏を応援していますが、どう転ぶか分かりませんよ」(議会関係者)

 全国から注目される選挙を静かに見守る男がいる。小川氏の前任で3期12年同市の市長を務めた山本龍氏だ。長年、前橋の顔役を務め、依然として人気はある。スキャンダルによる出直し選で立候補が切望されたが、保守系勢力の一本化を図るため出馬を見送った。今でも、山本氏の判断を惜しむ支持者からの電話で同氏の携帯は鳴りっぱなしだった。

男性人気は健在な小川晶前市長
男性人気は健在な小川晶前市長

 出馬を見送った元市長として、今回の選挙をどう見ているのか。山本氏は「今回のような騒動を前橋市民は経験したことがありません。多くの市民がうろたえ、頭を抱え、右往左往しているのだと思います」と市民の心境に寄り添うと「政策を語るべき、未来の夢を選ぶべき選挙が、一人の女性首長のミスと謝罪を許すか許さないかという次元に落ちてしまったことを、一人の有権者として残念に思います」と肩を落とした。

 選挙戦について「非常に難しい。安易に予想できない」とする山本氏は「スキャンダルを起こした女性市長は謝罪し、その後の地道な行動で少しずつ信頼を取り戻しつつあると感じています。一方で、新人の候補はあまりに強固な護送船団に囲まれてセレブリティーに選挙に臨んでいる。ましてやその船団が連合艦隊として首長(小川氏)を攻撃し続けている側面がある。一部の市民からは、世間から叩かれ続けた女性市長に対して同情票が生まれるでしょう。一般的な世論調査、アンケート調査では見えない、市民の心のひだが命運を握る選挙となるでしょうね」と分析した。

 誰が市長に選ばれようが、市政が正しい方向に進むことが重要だ。「市民の結論をそれぞれの候補者が感じて、正しい政治にまい進してくださるよう祈るのみです」と話した。