東京・大田区総合体育館で12月31日に行われたボクシングWBA世界バンタム級挑戦者決定戦で、同級9位・井岡一翔(36=志成)が同級11位マイケル・オルドスゴイッティ(24=ベネズエラ)に4ラウンド(R)2分42秒KOで勝利。試合後にはWBC同級王者・井上拓真(29=大橋)に、5月に計画される東京ドーム興行で挑戦することをアピールした。

 レジェンドが2023年大みそか以来2年ぶりの勝利だ。日本男子初の5階級制覇を目指し、1階級上げての初戦。固い防御から的確なパンチを繰り出して優位に試合を進めると、2Rに左ボディーでダウンを奪う。

 3Rには相手が形勢逆転を狙って攻勢を強めたが冷静にしのぎ、4Rに再び左ボディーでダウンを奪って10カウント。KO勝利で連敗からの再起を果たした。

 この試合は拓真とWBA同級王者・堤聖也(角海老宝石)も観戦。拓真は試合が終わると足早に去ってしまったが、井岡はリング上のインタビューで「井上拓真選手と試合をしたい。来年5月、(スーパーバンタム級4団体統一王者)井上尚弥選手(大橋)と中谷(潤人)選手(M・T)が東京ドームで試合をすると聞いているので、そこで僕たちも盛り上げられればと思う」と熱烈ラブコールを送った。

井岡の試合を観戦に訪れていた井上拓真
井岡の試合を観戦に訪れていた井上拓真

 報道陣の取材では、この日の相手が下位ランカーとあって「何とも言えないですけど」と話しながらも「階級の壁じゃないですけど、感じることなく戦えた。パンチの出力も上がったかな。(伸びしろは)感じました」と手応えを口にした。

 なぜ堤ではなく、拓真を希望したのかについては、まず「最近、僕の発言で、解釈はそれぞれだと思うんですけど、全く言っていないことが記事になっていることが多い」と報道陣に苦言。

 続けて、以前から拓真戦を希望していることを強調し「堤選手にも挑戦したいけど、選択肢があるなら拓真選手とやりたい。舞台としても、(東京ドームで)その流れでできたら理想。自信がなければ対戦を呼びかけない」と説明した。

 東京ドームで日本人がメインイベントを務めたのは、24年5月にルイス・ネリ(メキシコ)と対戦した拓真の兄・尚弥のみ。デビューから約16年、37戦を重ねた井岡もその舞台に立ったことがなく「望んでできることじゃない。(客席を)全部埋められるかっていう自信もあるわけじゃない。僕が東京ドームで組んでくださいと言っても、たぶん実現できないと思う」と難しい現実を認識している。

 そして、尚弥の一昨年の東京ドーム興行で井岡が井岡ジム所属時代に同門だった石田匠が拓真と対戦したことを挙げ「そういった意味では実現しやすいと思う」と、東京ドームの舞台に立てる可能性が高いことも拓真戦を希望する理由とした。

 また、大橋ジムの大橋秀行会長は、拓真の今後について「全然話していない。これから」と話すにとどめた。一方の拓真は井岡戦後、自身のX(旧ツイッター)に「来年お楽しみに」と投稿している。

 レジェンドは大舞台に立ち、偉業を達成することはできるか。