ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)は「ナイト・オブ・ザ・サムライ」(27日、サウジアラビア・リヤド)で、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(25=メキシコ)と激突する。25日の記者会見で〝モンスター〟は必勝とともにパウンド・フォー・パウンド(PFP、階級差のない最強ランキング)1位への返り咲きを誓った一方で、今後のキャリアにかかわる注目発言をしていた。

〝モンスター〟はフェースオフでピカソと約40秒もにらみ合うなど、戦闘モード。記者会見でも「この試合は今後のキャリアを加速させていく一戦。PFP1位に返り咲く気持ちで挑んでいきたい」と力を込めた。井上は専門誌「リング」のPFPで現在2位。ピカソに圧倒的な内容で勝って、再び世界の頂点に立つつもりだ。

 その一方、井上はスペイン紙「マルカ」の取材で、今後について「キャリアの中でどんな相手と戦うかは後でわかる」とし「あと3、4年で世界一のボクサーになる」と興味深い発言をした。井上は具体的な内容に言及していないが、同紙は「13年のキャリア持つ32歳の彼は究極の目標を追い求めており、引退が差し迫っているとは考えていない」と解説した。

 井上は3~4年もの時間をかけて「世界一」を目指していくが、バンタムとスーパーバンタムの4団体統一に続き、フェザー、スーパーフェザーと制し、4階級で4団体を統一することも一つの成果となるだろう。引退を表明した史上初の3階級4団体統一王者テレンス・クロフォード(米国)を超える偉業を見据えているともいえる。

 井上はこれまで階級変更に慎重な姿勢を示しているものの、所属ジムの大橋秀行会長は9月に「スーパーフェザーもいけると思う」と太鼓判を押している。来年5月予定の中谷潤人(M・T)戦後にも階級を上げていき、ベルトを統一するには、3~4年はかかる見通し。仮に実現すれば男子最多の世界6階級制覇ともなり、名実ともに「世界一」となる。

 もちろん、スーパーバンタム級で防衛を重ねていくことなど「世界一」になる選択肢は他にもあり、あくまで今後の動向次第で先行きは不透明だ。しかし最強ボクサーが「真の世界王者」を目指し、今後も戦い続けるのは間違いないようだ。