〝りかしん〟の見据える先は――。フィギュアスケートの西日本選手権兼全日本選手権アイスダンス予選会(11月1~2日、滋賀)で、デビュー戦となった紀平梨花(23=トヨタ自動車)、西山真瑚(23=オリエンタルバイオ)組が合計136・74点で3位に入った。2030年にフランス・アルプス地方で開催される五輪を目指す新カップルは潜在能力の高さを示す一方で、大きな壁にも直面。インタビューに応じた2人がその舞台裏を明かし、全日本選手権(12月19日開幕、東京)でのリベンジを誓った。
トライアウトを経てカップルを結成したのは9月末。わずか1か月の準備期間で氷上に立った。シングルで数々の功績を残した紀平でも、一筋縄ではいかなかった。
紀平 実は結成前のトライアウト2日目にスピンをした時に2人で転んで、右ヒザの内側の靭帯をやってしまいまして(笑い)。内側側副靭帯と外側側副靭帯だったかな…。
西山 早速ね。僕は大丈夫でした。梨花ちゃんが全部受け止めてくれたので…(苦笑い)。
いきなり約1週間滑れない時期が生じた。紀平は西山の練習を見学しながらイメージトレーニングに励むも、背中付近に痛みが生じるなど、立て続けに試練が襲った。
紀平 新技を急いで習得しようと練習しすぎたのが原因かもしれないけど、スピンの時に遠心力がかかったことで肋骨も痛めてしまいました…。その後は休んだら少し良くなったけど、予選会期間中にまた痛みが出たので、ギリギリの状態だったと思います。背中の痛みは予選会後に検査したら軽度の肋骨骨折でした。
西山 2人のタイミングが合わないと、スピンはどちらかが引っ張られてしまうので…。正直、本当に試合に出られるかわからない状況でした。梨花ちゃんはすごい不安だったと思うけど「アイスダンスってすごく楽しい」というのを経験してほしかったので「アイスダンスの大会を楽しもうよ」と声をかけていましたね。
紆余曲折を乗り越え、迎えた初陣は堂々たる演技で観衆を魅了。ただ、フリーダンス(FD)はリフトやツイズルなど、細かい部分のミスが目立った。
紀平 やっと試合に出られてまとまった演技ができるようにはなったけど、やっぱり練習が足りない演技でした。全日本まで1か月半しかないけど、とにかく練習を重ねて大きく成長、大きく進化した姿を見せたいし、ミスの悔しさも改めて知ったので、ミスのない演技を目指したいです。
西山 予選会では大会に出場できるようにまとめる状態にする準備までしかできなかったので、全日本に向けては戦える準備をしたいです。自分たちには可能性があると感じているので、上位の組に食い込んでいけるように臨みたいです。
無限の伸びしろを秘める〝りかしん〟。視線の先にあるのは30年の五輪だ。ともに強い思いで目標に向かって突き進む。
紀平 真瑚くんが五輪を目指してやってきたのを知っていたので「私が向いていなかったら」とか「足を引っ張ってはいけない」と思っていました。でも、毎日の成長スピードが速かったので、この調子で学んでいったらというか、できるようになるんだみたいな気持ちが強いけど、コミュニケーションは取れているので、これから先が楽しみです。
西山 梨花ちゃんと組むからには、全日本の表彰台の真ん中に持っていってあげたい思いが本当に強いし、僕にとっては重圧よりも原動力につながっていますね。梨花ちゃんとは一緒に滑ってみて、適応能力の高さや学びの早さを間近に感じているので、梨花ちゃんとだったら一緒に同じ目標を持って目指せると思っています。
☆きひら・りか 2002年7月21日生まれ。兵庫県出身。シングルでは18年にグランプリファイナルを初制覇し、全日本選手権は19、20年に優勝。右足首のケガで直近2季は全休したが、9月末にアイスダンスへの挑戦を表明した。
☆にしやま・しんご 2002年1月24日生まれ。東京都出身。17年からカナダ・クリケットクラブを拠点に活動する。一時はシングルとアイスダンスの二刀流で活動するも、現在はアイスダンスに専念している。















