ボクシングの元3階級制覇王者ジョンリル・カシメロ(36=フィリピン)を巡る〝重大疑惑〟が、さらなる波紋を広げている。カシメロは10月25日に開催された興行「SAIKOU×LUSH」のキルギス大会で亀田京之介(MR)と対戦。0―3の判定負けを喫した。

 母国フィリピンのメディア「デーリー・トリビューン」は、GAB(フィリピン国コミッション)のフランシスコ・リベラ委員長がカシメロの八百長疑惑について、「調査を開始する」と述べたことを報道。カシメロの兄でトレーナーのジェイソン氏がSNSの投稿(現在は削除)で意図的な敗北をにおわせる発言をしたと伝えている。

 英メディア「ワールド・ボクシング・ニュース(WBN)」も「カシメロ 八百長疑惑の調査に直面」と報道。疑惑の内容を伝えた上で、かつてカシメロのプロモーターだったMPプロモーションズのショーン・ギボンズ氏への独占インタビューを掲載した。

 その中で、ギボンズ氏は「これは(カシメロの)数ある愚かな決断の一つにすぎない」「彼にはコーチ兼トレーナーの兄(ジェイソン氏)がいるが、その兄が『わざと負けている』という話を流した。何か計画の一部だからだと。彼らは、ただただ愚かな人間だ」と斬り捨てた。

 その上で「MPプロモーションズでジョンリルをプロモートしマネジメントしていた頃、彼は3つの世界タイトルを獲得し、10か国で勝利を収めた。ベルトを獲得し防衛もしたが、その後MPプロモーションズ外部と彼の兄から、我々より詳しいと思い込んだ者たちによる愚かな助言を受けたのだ」と痛烈に批判する。

 さらに、ギボンズ氏は以前にカシメロが世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と対戦する予定だったことから「本当に、本当に悲しい。周囲の無知な人間から身を守れないこともあるからだ。状況を十分に理解していない選手は時に誤った判断を下す。彼は井上尚弥が対戦した全選手の中で、最も井上を倒す可能性を秘めていた男だった。まさに本命だったのだ! カシメロは井上戦まであと1か月というタイミングでコロナが発生し、その後も(周囲から)悪い助言を多く受けたせいで復活もかなわなかった。だが、そういうこともある」と嘆いた。