国会で火だるまだ。4日投開票の自民党総裁選は3日が党員票の締め切り。各陣営は決選投票をにらんで国会議員票の積み上げに精を出している。小泉進次郎農相と高市早苗前経済安全保障担当相に林芳正官房長官が絡む〝みつどもえ〟の様相だが、リードしているのは小泉氏と伝えられる。野党は小泉〝首相〟の誕生を手ぐすね引いて待っている。

 2日は大阪で演説会が行われ、公務で欠席した小泉氏、林氏を除く高市氏、小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長が直接党員に政策を訴えかけた。もっとも党員票の投票はほぼ終わっており、残りの期間は国会議員票の奪い合いが激化する見込みだ。

 党員票では高市氏がリードと伝えられるが、国会議員票で優勢なのが小泉氏。小泉氏は2日のASEAN+3農林大臣会合に出席するためフィリピンへ海外出張した。各国の農林大臣と会談し、日本産シャインマスカットの輸入解禁、ウナギの規制反対や和牛をテーマに日本の考えを訴えた。

 大臣としての仕事ぶりもアピールになる一方で、小泉陣営が同氏を称賛する投稿を促した〝ステマ〟報道に加え、小泉氏が県連会長を務める神奈川県で、高市氏を支持する人を中心に党員826人が〝勝手に離党〟していたという報道(小泉氏は関与を強く否定)と、2週にわたって放たれた文春砲の影響が不安視されている。とはいえ、それでも逃げ切るとの観測が根強い。

 数々の批判で傷を負う小泉氏が総裁になりそうな状況に野党はほくそ笑んでいる。

 立憲民主党関係者は「1年前の総裁選のころは小泉氏が首相になるとやりにくいと警戒していました。話していることは抽象的なのになぜか人気だけはある、これは攻めにくいと思っていましたが、今は違います。小泉〝首相〟となれば野党はラクでしょう。予算委員会など国会で、いわゆる〝小泉構文〟のような答弁をすればおかしいと突っ込まれて、国会運営はもたなくなるんじゃないか。数か月で小泉政権が行き詰まる可能性も高いでしょう」と手ぐすね引く。

 さらに〝ステマ〟問題には野党から「しっかり検証を行い、その結果を公表すべきだ」(国民民主党の玉木雄一郎代表)などと厳しい視線が注がれてもいる。「総裁選には出ず、10年ほど閣僚や党役員の経験を積むべきだった」(永田町関係者)と、時期尚早だったとの指摘もある。

 次の総裁のことを「火中の栗」と表現した人は麻生太郎元首相など多いが、小泉氏は栗どころか火だるまになってしまうかもしれない。