大阪芸術大学が1日、同校内で動物ジオラマ館「芸大Zoo」のオープニング記念式典を行った。

 同施設は、元滋賀サファリ博物館の館長・近藤幸久氏より同校に寄贈されたはく製58体とはく製の頭部35体、毛皮9点、角や骨9組などを同校教養課程主任教授で動物園デザイナーの若生謙二氏が、従来の手法とは一線を画す新たな手法で展示。同校の学生たちは、ワシントン条約により現在では輸出入が制限されている動物たちをじかに目にすることができるようになったという。

オープニング記念式典に出席した元滋賀サファリ博物館・近藤幸久館長
オープニング記念式典に出席した元滋賀サファリ博物館・近藤幸久館長

 同校副理事の塚本英邦氏は「今、スーパーリアルとか本物そっくりなものができてきたりしますけど、やはり本物の迫力というのは全く違います。毛並みとかデッサンの対象だったり、物語を作るひとつの題材にしたり、ぜひ授業で使ったり、教材として活用していただければ」と開館理由を説明した。

 今回寄贈された動物のはく製等は、近藤氏の父である幸彦氏が生前、現地政府の許可を得た上で猟獲したもの。近藤氏は「初代館長が趣味で全世界をまたにかけて、狩猟して集めたんです」と切り出し、今まで個人の博物館として展示していたとした上で「『こんだけのもの維持管理していけない』ということで、だれかもらってくれる人いないか」と考えていた折、若生教授との出会いがあったという。

 この展示の設計・建設の総合プロデューサーを務めた若生教授は「普通は(ジオラマの背景は透視画法の)絵で描くんです。時間もお金もかかる。私が(東京・上野動物園の)パンダの設計をやった時も後ろ(背景)は、写真にしたんです。(今回も)写真でやろうということで、去年の夏にウガンダとケニアに撮影に行きました」と解説した。

展示される鳥類のはく製
展示される鳥類のはく製

 同館の見どころについて「まず観客とはく製を隔てるガラスがありません。また動物側の地盤を上げて、動物を見上げるようにして、迫力を感じるようにしています。(はく製がある大学はあっても)このようなジオラマのある大学の博物館は世界でも類例がありません。動物のジオラマ展示は米・ニューヨーク自然史博物館で始められたのですが、新たな地平を開いたと思っています」と、さまざまな工夫をこらした世界に誇れる大学施設であると胸を張った。

 内覧会に参加した学生たちは「(はく製は)生きてるみたい。万博の展示よりすごい」と感嘆の声を漏らし、若生教授のギャラリートークに参加した学生は「(はく製の)配置にも意味があると分かると見方が変わった。(寄贈してくださった)館長さんにありがとうと言いたいです」と感謝を述べていた。