F1の放映権を巡って、動画配信大手「ネットフリックス」と「AppleTV+」による一騎打ちの様相を呈している。

 F1の米国放映権は現在、ディズニー傘下の米スポーツ専門放送局「ESPN」が所有しているが、契約が今季で終了する。来季から始まる放映権は世界的なF1人気を背景に相場が急上昇しており、これまではAppleTV+が有利とみられたが、ここにきてネットフリックスも急浮上。水面下で激しい争奪戦が展開されている。

 米誌「メディアプレーニュース」は、F1放映権を巡る最新動向を報じた。「リバティメディアCEOは名前を挙げなかったが、Apple TV+とネットフリックスが引き続きF1放映権を争う」と指摘。「両社が2026年からの新たな権利確保に向けて引き続き主導権を握るとの見方が出ている」と強調した。

 同メディアは、F1を所有するリバティ・メディアの新CEOであるデレック・チャン氏の最近のコメントを報道。「交渉についてはかなり詳しく記録されていると思う。かなり進んでおり、最終的な合意内容については満足している。近いうちに何か話せる機会ができることを願っている」と交渉が大詰めを迎えていると指摘した。

 同メディアは状況を分析。「ネットフリックスとAppleは、それぞれF1に多額の投資を行っており、メディア業界のリーダーであり続けている。ネットフリックスは、現在シーズン7を迎えるドキュメンタリーシリーズ『Formula 1: Drive to Survive』で成功を収めている。Appleは最近、ブラッド・ピット主演の映画『F1: The Movie』で成功を収め、全世界で約6億2000万ドル(約920億円)の興行収入を上げた」。両者ともF1に力を注いでおり、放映権は譲れない状況にあると指摘した。

 そして「両社は、ESPNが支払っていると報じられている年間9,000万ドル(約133億円)を大幅に上回る金額を支払うだけの潤沢な資金を持っている」と強調。米メディア「スクーデリアファンズ」は「放送権を獲得した企業がESPNの現在の2倍の支出を正当化しなければならない」と指摘しており、次期放映権は年間で約266億円が最低ラインになるとみられる。両者の争奪戦によってさらなる高騰が見込まれることや、10年の長期契約もウワサされていることを勘案すると、総額3000億円の攻防になりそうだ。

 ネットフリックスと言えば最近も、来春の野球世界一を決めるワールドベースボールクラシック(WBC)の日本での放映権を獲得して話題を呼んだばかり。「ネットフリックスは、スポーツリーグのシーズン全体よりも、特定のイベントに特化した番組制作に注力しています。F1レースは、アメリカ国内の3つのレースを含め、世界各国で繰り広げられる壮大なスペクタクルだ」と指摘する。F1放映権の行方に注目が集まる。