ボロボロのホワイトソックスで珍記録が生まれた。27日(日本時間28日)の本拠地ロイヤルズ戦で、コーリー・リー捕手(27)が7回から出場すると、その後マウンドにも上がり、同一試合で捕手と投手を兼務。MLB公式サイト「MLB・com」によれば、これがホワイトソックス所属の選手として1902年以来、実に123年ぶりの快挙となったという。

 試合はイニング終盤で1―12と大量ビハインドの中、ブルペンが崩壊。それまでマスクをかぶっていたリーがやむなく8回のマウンドを任され、31球を投げて4安打2四球1失点と奮闘。最速89・5マイル(約145キロ)を計測し、9回には時速70キロ台の超スローボールも披露。試合を最後まで締めた。リー本人は「望んでいたことじゃないが、チームを助け、ブルペンを休ませたかっただけ」と謙虚に語った。

 ホワイトソックスで同一試合に捕手と投手を務めたのは、フランク・イズベルとサム・マーテスが達成した1902年9月28日の試合以来。現代野球では極めて珍しいケースだけに、米メディアも「歴史に名を刻んだ」と大きく報じた。

 リーは2024年に捕手として125試合に出場し、強肩を武器にメジャー捕手部門で2位の数値を残した守備型捕手。今季はケガやマイナー降格もあったが、復帰後は打撃でもマルチ安打を記録するなど存在感を示してきた。兄はマリナーズのメンタルコーチを務めており、その支えもあって精神面の強さも折り紙付きだ。

 ただし、チーム事情は厳しい。ホワイトソックスはここまで48勝85敗、借金37でア・リーグ最低勝率の3割6分1厘。地区優勝争いからはとうに脱落し、再建モードのシーズンを送っている。そんな低迷の真っただ中で飛び出したリーの二刀流快挙は、ファンにとっても数少ない明るい話題となった。

「子供の頃から野球ばかりやってきた。その意味で今日の経験は特別だった」と語ったリー。敗戦処理の一幕とはいえ、1世紀以上の時を超えた歴史的瞬間は、ホワイトソックスの暗いシーズンを照らす一筋の光となった。