新しく公営の火葬場を造ることはできるの? 東京23区で火葬場を運営する東京博善が「区民葬」からの離脱を表明したことが物議を醸している。通常の火葬料金は区民葬の料金より高く、利用者の負担が増す。東京博善は23区内で6か所の火葬場を運営しているだけに、住民から不安の声が上がっているのだ。
区民葬とは「葬祭費用の負担軽減などのために、全東京葬祭業協同組合連合会に加盟する区民葬儀取扱業者の協力で行っている葬儀制度」(中野区公式サイトから)で、23区内に住んでいれば利用できる。区民葬での火葬料金は大人5万9600円、小人(満6歳以下)3万4500円となっている。低所得者層向けだが、実際は所得制限はない。
東京博善は今月1日に2026年4月1日から区民葬の取扱いを行わないと発表。火葬料金は通常なら普通炉で大人9万円のところを「区民葬の取扱い終了により生じる差額を区民の皆さまに還元するため」(発表文から)に8万7000円に、小人5万1000円を5万円にするという。
通常料金より値下げしているとはいえ、区民葬なら5万9600円だったのが8万7000円になるということで、差額の2万7400円が事実上の値上げとSNSで話題となっているのだ。しかも、23区内には火葬場は9か所あるのだが、そのうち6か所が東京博善のものだけに「さらに値上げするつもりなのだろう」とX(旧ツイッター)で不安の声が上がっている。
公式サイトによると、東京博善は1921年に設立。渋谷区の代々幡斎場などを大正の当時から運営してきた老舗だ。しかし、現在は中国資本が入った企業の子会社となっており「昨今の外国人排斥の風潮もあって、余計に批判的な目で見られている」(都政関係者)という。
全国的には火葬場は公営が多いものの、東京は長く民営でやってきた。公営はたった2か所だ。それだけに「公営にすべき」「火葬場を新設しましょう」などと新しい公営の火葬場を設けることで対抗しようという意見もネットには多数浮上している。
果たして火葬場の新設はできるのか。前出の都政関係者は「土地なら都有地を使うこともできるかもしれません。しかし、火葬場は〝迷惑施設〟。新設するなら場所を決めて、周辺住民に対して説明会を開いて建設に同意してもらわないといけない。これが現実的に可能でしょうか。自分の家の隣に火葬場が建つことに賛成してくれるのでしょうか」と疑問を呈した。
また「火葬場が足りていないわけではありません。人気の時間帯を外せば火葬場は空いています」(同)と、税金を使って建てるだけの必要性があるかのかという点も考慮しないといけないという。
ほかの道府県の火葬場に比べて、東京の火葬料金が高いのは事実。例えば横浜市の市営斎場の火葬料金は10歳以上で1万2000円(横浜市内)となっている。
まだまだ議論を呼びそうだ。












