参院選(20日投開票)まであと1週間と迫ったラストサンデーの13日、アニメやゲームなどのポップカルチャーの中心地となっている東京・秋葉原は若者や浮動票狙いで、多くの候補者が入り乱れた。かつては安倍晋三元首相や麻生太郎元首相が選挙の最終演説地に足を運ぶ自民党の〝聖地〟だったが、その影も薄れつつある。主役不在となった地で繰り広げられた〝アキバの陣〟の1日を追った。
【AM11時・電気街口】タクシープール前に100人を超える人が集まり異様な熱気に包まれた。「しおりん」の応援うちわを持った一団が歓声とともに迎え入れたのは、東京選挙区から無所属で立候補している山尾志桜里氏だ。来場した漫画家の小林よしのり氏の著作「愛子天皇論」を片手にした「ゴー宣」ファンも加わり、熱を帯びた。
小林氏は「山尾さんは国民民主党から『皇室問題は発言してはならない』と。それで公認取り消しになっちゃった。皇室問題はタブーになっちゃったけど、山尾さんだけは無所属なんで何でも言える。女性天皇はワシが長いこと言ってきた。女性天皇が誕生したら経済効果はすごい」と熱弁は止まらず、終了を告げにきたスタッフに怒りだしたほど。山尾氏も「勝たないとダメ!」と猛暑の中で30分を超える演説となった。
【PM0時45分・オノデン前】外国人観光客でごった返した歩道で演説を始めたのは国民民主から比例代表で立候補した海洋問題研究家の山田吉彦氏だ。保守派論客で知られる同氏には党派の垣根を越えて支援の輪が広がっており、司会も無所属の松原仁衆院議員が務めた。そこに山尾氏を乗せた選挙カーとニアミス。一時は国民民主の候補者同士だっただけに山尾氏からは「この国を思う気持ちは同じ」とエールが送られたが、山田氏は「私は男系男子です。皇室問題を政争にしてはいけない」と毅然と訴えた。
【PM1時15分・電気街口】200人近い聴衆を前にテンションが高かったのは国民民主の玉木雄一郎代表だ。東京選挙区から立候補した元NHKアナウンサーの牛田茉友氏は付きまとい被害で、中止していた演説日程の公表をこの日から再開。演説後は玉木氏と聴衆の中に飛び込み、もみくちゃになるなど騒動の余波を感じさせないオープンな対応となった。
TBS「news23」の小川彩佳キャスターからの路上インタビューに、玉木氏は「後半戦、盛り上がってきているので改めて原点に返って手取りを増やす政策を訴えることが大事」と話した。
【PM4時10分・電気街口】高齢者と若い年代の支援者が目立ったのが、東京選挙区から立候補した共産党の吉良佳子氏の街宣だ。〝共産党のアイドル〟といわれた吉良氏も既に参院2期務め、ベテランの域。各情勢調査では当選圏内に入っているが、吉良氏は「当落線上です」とピンチを訴え、結束を呼びかけた。
【PM4時30分・ヨドバシカメラ前】社民党から比例代表に立候補したラサール石井氏の演説で、福島瑞穂党首がエンジン全開だ。政党要件を失いかねない崖っぷちだったが、ラサール氏の擁立発表から注目度は急上昇。「ミサイルよりコメを!」と絶叫&オーバージェスチャーに外国人観光客も思わずカメラを向けていた。
【PM6時・ベルサール秋葉原前】自民党から比例代表で立候補している山田太郎参院議員がこの日の秋葉原で大トリを務めた。「表現の自由を守る」を公約に漫画、アニメ、ゲーム、同人誌への規制強化と闘ってきただけに多くの人が足を止め、秋葉原での人気は別格だ。「秋葉原は私のホーム。私を自民党に呼んだのは安倍晋三さん」と安倍氏との思い出話も盛り込んだ。

















