ドジャースの大谷翔平投手(31)が2度目の右ヒジ手術から投手復帰を果たした。4度目の先発マウンドに上がった5日(日本時間6日)の本拠地でのアストロズ戦は日米通じて初のバースデー登板。2回を1安打無失点、3三振と好投し、最速100.9マイル(約162.4キロ)をマークした。圧巻だったのは2回、魔球スイーパーと縦スラで3者連続空振り三振に仕留めた。まだ、最長2イニングだが、復活ロードは順調だ。投手・大谷をドジャースのトミー・ジョン手術経験者はどう見ているか――。
大谷と同じく2度(2006年、21年)、トミー・ジョン手術を受けたカービー・イエーツ投手(38)はマイナーでリハビリ登板せずにメジャーの打者相手に投げていることに驚く。
「彼のやっていることは本当に驚異的だと思う。それに尽きる。そもそもああいう形での復帰は、彼にしかできない。彼の才能と毎晩チームにとって不可欠な存在であるということがそれを可能にしている。(打席で)必要不可欠なのに、投球もやっているんだ。彼のリハビリ登板は大リーグなんだよ。そんなこと普通ならできない」
復帰登板は2安打を許し、マチャドの中犠飛で1失点だった。「何ならリハビリとは呼べないんじゃないかと思う。先日の登板の彼は素晴らしかった。確かにまだ感覚が戻り切っていないところもあったけど、それでも十分すぎるほどのクオリティーだった。本当だったら三振を取り、失点にもつながらないはずだった」
課題はあったのか。
「彼の制球は4~5インチ(約10~12.7センチ)差とかの話だったでしょ? すごく良いシンカーを投げていた。それが数インチ下でボールになってしまっただけで、本来の感覚が走り出せばあのボールは完璧なストライクとして入るようになる。球速は出ているし、変化球のキレもいい。あとはほんの数インチ精度が戻れば、すべてがかみ合う。その感覚は、多くの場合、最後に戻ってくるもので、少し時間がかかるもの」
その上で「ショウヘイはメカニクスもきれいで、ケガ前のフォームとほとんど変わらないように見える。そのうち“スイッチが入った”ように、全てが元通りになる瞬間が来るはず」と断言した。
レイズ時代の18年6月に左ヒジを手術したアンソニー・バンダ投手(31)は中継ぎとしては欠かせない存在で今季はすでに40試合に登板している。そのバンダが注目したのは復帰のプロセスだ。
「正直、僕がここに来たときにはもう彼は手術を終えていたし、全てを見たわけではないけど、復帰までのプロセスの進め方、特に後半にかけて彼自身が主導権を持てるような形にしていたのが、本当に印象的だった。彼自身が自分の状態についてしっかり発信していたし、チームも、彼の体の感覚や回復の状況、どこまでできそうかといったことに対して、すごく耳を傾け受け止めていた」
パドレス戦はブルペンで見ていた。
「ブルペンやモニター越しに見ていて『え、こんな球投げるの!?』ってびっくりするほどすごかった。彼の今の投球状態は信じられないところにあるよ。たしかにコマンドの細かい話はあるかもだけど、球の質は素晴らしい。彼が本調子になったら、とんでもないことになるよ。見るのがすごく楽しいだろうね。恐らく皆の代表として言えると思うのだけど、チーム全員が彼の登板にそわそわして興奮していた」
エメット・シーハン投手(25)は昨年5月に自身の腱を人工靱帯で補強する「インターナルブレース」で右ヒジを手術。13か月後の6月18日(同19日)のパドレス戦に先発で復帰マウンドに上がった。通常復帰まで16~18か月を要するケースが多く、かなり早い。
そのシーハンにとって2回手術した大谷は異次元の存在だ。
「正直、それは本当にクレイジー。1回でも十分大変なプロセスなのに、それを2回やるのは本当にタフだし、ショウヘイの(投手の)リハビリしながら、打者として活躍を続ける姿はとてもモチベーションになった」
それだけに「初登板で100マイル出してくる人に僕が言えることは全然ないよ。人によって苦戦する部分は違うと思う。彼の場合はすでに相当レベル高いと思う」とだけ語った。
三者三様だが大谷が完全復活するという認識だけは共通している。












