参院選(20日投開票)が3日公示され、全国で熱戦の火ぶたが切られた。候補者や応援弁士が襲撃や脅迫される事件が相次ぎ、厳戒な警備態勢が敷かれる物々しい初日となった。

 石破茂首相は第一声に今回の選挙戦で最大の注目区とされる兵庫入りし、神戸市の公園内広場で行われた。広場はフェンスで囲まれ、入場時には手荷物検査や金属探知機を使った検査が実施された。5m間隔で警察官や警備員が目を光らせ、報道陣と石破氏の距離は10m近く離れた。聴衆とはさらに15mの距離が置かれ、全く近寄ることができない厳戒ぶりに見えたが、演説終わりに石破首相自らが聴衆エリアに近寄っての〝触れ合いタイム〟を設け、親しみやすさをアピールした格好だ。

 警護対象にはならない野党幹部や候補者の街頭演説では、サングラスをかけた屈強なボディーガードの姿が目についた。ある陣営関係者は「このご時世で何かあったら大変だということで、ボランティアで駆け付けてくれている」と話し、立っているだけでも抑止効果はありそうだ。

 視覚的効果が際立ったのは、比例代表で立候補した作家で、日本保守党の百田尚樹代表だ。東京・新橋SL広場での街頭最中に黒いチョッキをスタッフに着せられ、マイクを握った。NHK党の立花孝志党首の襲撃事件を受け、百田氏は街頭演説でのリスクを懸念していたとあって、防刃チョッキか防弾チョッキを着用するまでの対策を取ったかと聴衆がざわつく場面があった。

 ただ、防刃チョッキにしては前部分が開けた形状だった。東京選挙区に同党から立候補している小坂英二氏は「防刃チョッキかと思いましたが、確認したら冷水チョッキとのことでした。熱中症にならないようにするためです」と明かした。この日は都心で33度を超える猛暑で、百田氏は参院選後に腎臓がんの手術を控えている身とあって、保冷剤が入った冷却アイテムで、入念な暑さ対策を行っていたようだ。