昨年11月の兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事が選挙運動の対価として地元PR会社に金銭を支払ったとして公選法違反(買収、被買収)容疑で告発されていた件で20日、兵庫県警は斎藤氏とPR会社代表を書類送検した。上脇博之神戸学院大教授と郷原信郎弁護士による告発から約6か月。ようやく事態が動いたが、どうなるか。

 告発状によると、PR会社代表は斎藤陣営の広報全般の企画・立案をして実行した選挙運動者だとした上で、斎藤氏は当選のためにPR会社が選挙運動した報酬として71万5000円を支払い、代表はそれを受け取ったことが告発対象となっていた。

 斎藤氏はこの日、書類送検を受けて「適法に対応してきた認識に変わりはない。今後の捜査にはしっかり協力する」と発言。辞任の考えはないとした。

 通常、書類送検の際は警察から検察に対して、起訴を求める「厳重処分」や起訴を求めない「しかるべき処分」などの「処分意見」が付けられる。今回、警察は処分意見を明らかにしていない。

 告発した郷原氏は取材に「送致の連絡はあったが、処分意見はわれわれも聞いていない。警察が明かしていないのは、それ自体が独り歩きしないようにということでしょう。県知事だから配慮したのでは?」と話した。

 告発は警察と地検の両方にしている。「お互いに事前に相談しながらやっているでしょう。だから、形式的に書類にどう書いてあるかは関係がないのではないか」(同)と、警察と検察の間ではある程度の方向性が共有されていると主張した。

 起訴されて有罪になると公民権停止となる。略式起訴され、公民権停止の略式命令が出る可能性もある。

「そうですが、誰が起訴されるかということもある。(捜査の結果)斎藤知事らとは別の人間を送致している可能性もある。その場合は告発者には教えてもらえない」と郷原氏。つまり、問題となっている約70万円の支払いについて、斎藤氏以外の人間が意思決定をしていて、警察に違法性ありと判断された場合はその人物も書類送検されうるというわけだ。

「これは可能性があるという話で絶対にそうだというわけではないですよ。で、その人物が連座の対象なら斎藤氏の当選に影響がするし、そうでないなら当選には影響しない」(同)

 兵庫県政の混乱に終わりは来るのか。