新日本プロレス29日愛知県体育館大会に参戦する藤波辰爾(71)が、棚橋弘至(48)の引退に〝ドラゴンストップ〟をかけた。
棚橋のプロデュース大会として行われる同大会で、藤波は高橋ヒロム、LEONAとトリオを結成し棚橋&海野翔太&田口隆祐と対戦する。2013年11月にデビューしたLEONAは新日本マット初参戦。旗揚げメンバーでもある藤波は「新日本のリングに息子と上がるというのは特別だね。LEONAも心ここにあらずなんじゃないかな。新日本に上がることは一つの目標に置いていただろうしね。いろいろなことを試してもらいたいし、新日本の中心にいる選手たちの厳しさを知るのはいい経験になるだろう」と目を輝かせた。
その一方で注目を集めるのが師弟関係にある棚橋との再会だ。棚橋は来年1月4日東京ドーム大会での現役引退を控えており、これが最後の対戦になる可能性もある。しかし藤波は「俺が唯一、彼に引退撤回を(要求)できる場所なのかなと。冗談抜きで、彼自身も可能なのであれば引退を撤回してもいいと思う。社長業と別に、ストレス解消の意味でリングに上がる場を作っておいてあげたいかな」と、現役続行の勧めを説いた。
藤波も自身が社長業を務めていた2000年に引退へ向けたカウントダウン「エピローグ・オブ・ドラゴン」をスタートさせながら翌年に撤回。03年11月にも引退を示唆しながらやはりしなかった前科…いや、過去がある。「前の経験者が言ってるんだから。撤回することは恥じゃない。ファンはもろ手を挙げて喜びますよ」と説明し、選手兼社長としてもドラゴンイズムを継承させるつもりだ。
何の因果か03年11月当時、藤波の引退阻止に動いていたのが棚橋だった。約21年半の時を超え、71歳の師匠が48歳の弟子に引退撤回を求めるパラドックスは、ある意味でプロレスの醍醐味とも言える…。「引退を撤回して残って(現役を)やるっていうのは申し訳ないみたいな気持ちになってほしくないね。やっぱり自分に正直になってほしい。レスラーはみんな少しでもリングに上がりたいものなんだよ」。社長として新日本を世界一の団体にすると決めた棚橋の覚悟が本物なら、藤波の現役に対するこだわりと美学もまた本物。師弟の交わりは、どのような結末をもたらすのか――。












