中国でパラグライダー(滑翔傘)をしていた彭玉江さん(55)が誤って積乱雲に吸い込まれ、高度8598メートルまで上昇しつつも、奇跡的に生還した事件で、飛行カメラがそのスリリングな過程を撮影していたことで、世界中の話題となった。しかし、ロイター通信が先日、映像の一部はAIによる生成の可能性が高いと報じた。

 ロイター通信は、米国のデジタルセキュリティー企業GetRealによる分析の結果、動画の最初の5秒間はAIによって生成されたことが「ほぼ確実」であると報じた。

 GetRealと動画をじっくりと観察したパラグライダー関係者は、矛盾点も指摘している。彭さんの脚は最初、防寒具なしだったのに、突然、防寒具のようなものが現れた。ヘルメットは最初は白だったが、その後、黒になっている。

 ロイター通信がインタビューした5人の熟練パラグライダーパイロットは、彭さんが自身の主張通り高度8598メートルまで飛行し、生き延びた可能性もあると述べた。しかし、そのうち4人は、避けられない事故だったのかどうか、疑問視している。

 パラグライダー愛好家「六兄弟」こと彭さんは5月24日、甘粛省西部と青海省北東部の境界にある祁連(きれん)山脈の上空を滑空していたところ、誤って積乱雲に吸い込まれ、高度8598メートルまで運ばれたという。極寒で酸素が欠乏した環境下でもパラグライダーをコントロールし、奇跡的に生還。飛行カメラがその過程を撮影しており、SNSで動画が公開され、話題となっていた。

 甘粛省航空スポーツ協会は5月28日、許可されていない空域を飛行したとして、彭さんを6か月間の飛行停止処分にした。