余裕なのかカムフラージュなのか。それとも、なめているのか――。
ボクシングのWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ(11日、東京・大田区総合体育館)の調印式が行われた。昨年7月に判定で王座を奪われた挑戦者の同級6位・井岡一翔(36=志成)が冷静に雪辱への思いを語る一方で、王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)は減量が「あと7キロ」と冗談を飛ばすなど終始余裕たっぷりだった。
王者は約5分遅れて登場。再会した井岡の印象を問われると、母国が美食の国という理由で「井岡選手をアルゼンチンに招待したい。料理をごちそうしたい」と無関係な話を切り出し「元王者とはいえ、いい王者だ」と付け加えた。
勝負のポイントは「パンチが来たら頭を左右に揺らす。ニコリノ・ローチェのように」。母国の名選手ローチェは117勝中KOはわずか14の守備的なテクニシャンで、好戦的なスタイルで井岡を破った自身とは真逆。身ぶり手ぶりで説明する王者に、隣席のマネジャーは笑いをこらえきれなかった。
場内では太め残りを指摘する声も出た。王者に減量の具合をたずねると、「あと7キロ。練習すれば大丈夫だ」と驚きの返答。計量前日とは思えない数字であり、再度確認すると「本当はあと1キロだ」と白い歯を見せた。
リラックスムードながら煙幕を張った感もある王者に対し、井岡は冷静。海外大手ブックメーカーのオッズは王者勝利が1・3倍に対し井岡勝利が3・5倍と不利だが、「仕方がない。それを覆して勝利していこうと思う」と表情を引き締めた。
アルゼンチンは美食の国だが、井岡の故郷・大阪も食いだおれと言われるグルメ都市。対抗心があるか井岡に聞いてみると「それは…ないですね」と苦笑していた。












