今、中高年に増えている病気が「睡眠時無呼吸症候群」だ。気道がふさがって呼吸ができないために眠りが浅くなり、心臓病、糖尿病、高血圧などを併発するリスクが高い。実際に体験した患者さんに、どう発見されたのか、治療の進め方などを聞いた。
【イビキで見つかることが多い――太り気味、居眠りも要注意】
この病気はイビキで見つかることが多い。本人は気付かなくても家族に指摘され、病院で検査して発見されるのだ。
陶芸家のF氏も50代の時、奥さんにイビキがひどいことを指摘された。奥さんによれば、イビキをしながら呼吸が何度も止まり、体を揺すると呼吸が回復する、とのことだった。
耳鼻咽喉科を受診し、2日間の睡眠状態検査を受けた。1時間に60回も呼吸が止まる重症だった。この病気になると、寝ている時に呼吸が何度も止まる。1時間に5回以上の無呼吸で睡眠時無呼吸症候群とされ、呼吸が回復する時にはイビキを伴うことが多い。
呼吸ができなくなるのは気道がふさがってしまうからで、肥満気味の人ほど気道の周りに脂肪が蓄積され、気道が狭くなってこの病気にかかりやすい。あごが小さい人も骨格により気道がふさがりやすい場合がある。また、ぜんそくで呼吸が止まったり、花粉症の鼻づまりで呼吸ができなくなる人もいる。
会社役員のS氏は日中の居眠りがひどくなって発見された。40代で小太りだったS氏は睡眠時無呼吸症候群のため夜眠れず、睡眠不足から会議中にも眠気を催すようになって検査したのだ。
1人暮らしの場合、この病気が発見されるのはかなり難しい。だが、50代独身だったデザイナーのD氏はそのレアケースだ。風邪が長く治らなかったので、かかっていた内科とは別にぜんそく専門クリニックでセカンドオピニオンを求めたら、単なる風邪ではなくぜんそくだと診断されたのだが、ぜんそくの検査の際に睡眠時無呼吸症候群も発見された。
【シーパップ装着で安眠――まずは睡眠状態チェックを】
睡眠時無呼吸症候群の治療は、「効果があるのはシーパップ(CPAP)かマウスピースです」と言うのは取材協力してくれた耳鼻咽喉科専門医だ。
シーパップとは鼻に装着したマスクから空気を送り込む装置であり、装置をベッドサイドに置いてマスクを装着して寝ると鼻呼吸ができ、質の高い睡眠が可能になる。前出のF氏もシーパップで治療していて「よく眠れ、イビキはかきません。マスク装着は見た目に抵抗感があるかもしれませんが、慣れれば寝返りもできます」と言う。
冬などの寒い時季にはマスクに暖かい空気が流れる機能も付いていたり、睡眠記録を同時に取ってWiFiで自動的に担当医に送信されたりするようになっている。治療内容にもよるが、シーパップの治療費は保険適用の3割負担で月額4500円程度が目安だそうだ。
一方マウスピースは、あごの小さい人などのあごを前に引き出して気道確保する。患者さんに合わせてマウスピースを作って治療する。また太り過ぎの人は適度な運動も改善につながるそうだ。
家族からイビキを指摘される人や朝の倦怠感がひどい人、熟睡感がなく日中の眠気がある人は、一度ぜひ睡眠状態のチェックをお勧めする。












