柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(パーク24)は、有終の美を飾ることができなかった。

 無差別級で争われる全日本選手権(29日、東京・日本武道館)の3回戦では 前回大会覇者の中野寛太(旭化成)に優勢負けで敗れた。ウルフは全日本実業団体対抗大会(6月)での現役引退を表明しており、今大会が個人戦として最後の大会。「本当にまずは今悔しいなという気持ちがある。これでまた柔道をするかと言われると、それはもうやらないけど、まずは本当に悔しい」と顔をしかめた。

 東京五輪後はモチベーションの低下に苦しんだが、24年パリ五輪代表の座を奪取。それでも「4年後(ロサンゼルス五輪)はもう目指せないなと思った。ゴールを設定して、そこに向かった方が今の自分にとってはモチベーションを上げられると僕は思ったので引退を宣言した」と退路を断ち「結構引退する選手を見ていると、リラックスしてやっている選手が多いけど、そうはならなかった。最後の最後まで柔道はやっぱ勝負事なんだなと思った」と懸命に戦い抜いた。

中野に破れたウルフ・アロン
中野に破れたウルフ・アロン

 全日本実業団体対抗大会に向けては「1か月ちょっとあるので、精一杯やっていきたい」。残された時間を悔いなく過ごし、最高の形で競技人生を終えることはできるか。