元タレント・中居正広氏を巡る問題で大揺れのフジテレビ及び親会社のフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)にアクティビスト(物言う株主)が痛烈な一撃を放った。フジHDは日枝久取締役相談役の退任や役員体制の刷新を発表したが、大株主のダルトン・インベストメンツは16日、「日枝体制の残滓を一掃」と掲げ、新たに12人の取締役候補を提案し、主導権争いが本格開戦した。
6月の株主総会を前にフジHDの発行済み株式の5・8%、グループ全体で7%を保有する大株主のダルトンは株主提案書の中で、「フジテレビの大変革を力強く推進する経営者たちを当社に送りたい」として、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長、STARTO ENTERTAINMENTの福田淳代表取締役、ワーナーミュージック・ジャパン会長の北谷賢司氏、フジテレビの元アナウンサーで起業家の坂野尚子氏、新潮社「フォーサイト」の元編集長の堤伸輔氏ら12人を取締役に提案した。
フジHDの改革案として、日枝体制下での経営陣の一掃によるガバナンス体制の変革、メディア事業と不動産事業の切り離し、保有する3000億円の政策保有株式の解消、コンテンツの制作能力向上による放送・メディア事業の改革を掲げた。SBIの北尾会長をはじめ、STARTOの福田氏、ワーナーの北谷氏らはメディア事業改革の本気度を示す布陣として、ほかも各ジャンルのエキスパートと胸を張った。
市場関係者は「アクティビストの提案は通常なら一蹴されるところだが、今回は第三者委員会の報告でガバナンスのひどさが表に出て、大株主も困っているのが実情。株式保有数では約7%のダルトン、約5%のSBI系のレオスが手を組み、他の大株主や一般の株主を味方につければ、チャンスがないとは言えない」と世論もアクティビストに追い風の状況を指摘する。
村上世彰氏の長女・野村絢氏と旧村上ファンド系投資会社は、今月10日時点で約11%を保有する筆頭株主だが、議決権を持つ3月末時点では5%程度とみられる。
「アクティビストがどこまで大同団結するかが一つのポイントになるが、旧村上ファンドは株価を上昇させ、売り抜けるのが目的。ダルトンの案に乗っかってこないのではないか」(同)
今後、他の株主提案も出てくるとみられ、賛同を得るための各陣営のキャンペーンは激しさを増すことになる。












