近年、65歳以上の高齢者のアルコール依存症が増えている。国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)のデータによると、アルコール関連問題で受診する65歳以上の受診者は約30年前と比べて女性が約2倍、男性が2~3倍になったという。
しかしなぜ、穏やかな老後を送るはずの高齢者がアルコール依存症になってしまうのだろう? 原因は大きく分けて2つ。1つ目は体内水分量の減少だ。新生児の体内水分量が80%あるのに対し、高齢者は50~55%ほど。体内水分量が減ると、今までと同じ酒量であっても血中アルコール濃度が上がりやすくなる。そこで「酒に弱くなった」と気づけばいいのだが、自分の老いに目を背けて飲み続けてしまうと酒量が減るどころか、増えてしまうことがある。
2つ目の原因は孤独感だ。高齢になり、退職やパートナーとの死別で環境が変わると人は孤独感を抱く傾向にある。孤独感は時間に余裕ができると抱きやすく、それを埋めるために酒に走ってしまう高齢者も少なくない。コロナ禍にアルコール依存症になりかけたアラカン世代の筆者としては他人事ではない…。
こうした状況を防ぐため、今から準備しておきたいのが「社外・家族外での仲間作り」だ。例えばゴルフが趣味なら「1人ゴルフ」というサイトに登録する手がある。「1人ゴルフ」は1人からエントリーできる予約方法で、同じように1人で予約した人同士がラウンドするというもの。夫もこのシステムを使っているが、「自分と業界の違う人との出会いがあって楽しい」とご満悦だ。年を重ねてからの密度の濃い友人作りはハードルが高いが、同じ趣味の仲間作りは想像しているよりもたやすい。ゴルフに限らず、地域の居酒屋で1人飲みをするもいいし、ネットのコミュニティでもいい。まずは社外とのゆるいつながりを持つため、一歩踏み出すことが、高齢になってからのアルコール依存症を防ぐ一助となる。












