過日、鶏肉がさしてあった竹串を2つに折り、つまようじ代わりにしてせっせと歯間をギューギュー押す初老の男性を焼鳥屋で見かけた。そんな話を歯のクリーニングをしてもらうデンタルクリニックでしたところ、「歯茎が下がる原因になるので絶対ダメ」とドクター。特に泥酔している時は、力の加減も分からなくなり、歯茎を傷つけてしまいがちなので止めたほうがいいそうだ。

 つまようじを使い過ぎると歯の隙間が広がりやすくなり、それによって食べカスが挟まりやすくなるという危険性も。これはつまようじに限ったことではなく、デンタルフロスや歯間ブラシにも言えること。私たちが思った以上に歯茎や歯はデリケートなので、酔った時こそもっと大切にケアをしたほうが良さようだ。

 酒好きの中には「酒で虫歯菌を殺菌できるから、歯磨きをしなくても、つまようじで食べカスを取れば大丈夫」と言うツワモノもいる。しかし結論から言うと、口から飲める酒で虫歯菌を死滅させるのは不可能。歯磨きをしなければ十中八九、虫歯を誘引する。また歯磨きをした後、つまみなしで飲む場合も同様。特に日本酒やフルーツリキュールなど糖分を含む酒の場合、歯磨きは必須である。

 と言われても、酔っぱらうと、面倒くさくなるのが酒飲みの性。何か対策はないかとドクターに聞くと、電動歯ブラシをすすめられた。この際、発泡剤・研磨剤不使用の歯磨きジェルを使うと、より有効成分が口腔内に行き届きやすくなるという。実際に音波歯ブラシを使ってみると手磨きよりも短時間できれいになり、指で歯を触るとつるつるになる。安いものなら2000円台から買えるのもありがたい。

 結局、私は使っているうちにより良いものが欲しくなり、AI搭載の電動歯ブラシを買ってしまった。アプリと連動させると磨き残しが可視化できるし、2分程度で磨き終えることができる。お財布に優しくないのが玉に瑕だが、残存歯をより多くし、うまい酒を飲むための投資だと思えば決して高くない(と思う)。