史上最速で出場を決めたW杯で優勝の〝実現可能性〟は――。日本代表は20日、北中米W杯アジア最終予選バーレーン戦(埼玉)に2―0で勝利し、8大会連続8度目のW杯出場を決めた。最終予選3試合を残しての決定は日本代表史上最速。MF久保建英(23=レアル・ソシエダード)が1ゴール、1アシストと大活躍した。今後は目標とするW杯制覇へ向けて突き進むが、元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)が快挙実現の条件に迫った。

 勝てば無条件でW杯出場が決まる大一番。0―0で迎えた後半、森保一監督の采配が的中した。後半18分、MF鎌田大地(クリスタルパレス)とMF伊東純也(スタッド・ランス)を投入すると、その3分後に久保のアシストから鎌田が待望の先制点を決める。伊東は後半42分に久保のゴールへとつながるラストパスを送り、起用がズバリ。前回カタールW杯で世界を驚かせた森保マジックを再び見せつけた。

角度のないところからゴールを決めた久保建英
角度のないところからゴールを決めた久保建英

 W杯出場が決まり、世界一を目指す準備が本格化する。この日の試合後、日本サッカー協会は「最高の景色を2026 FOR OUR GREATEST STAGE」を合言葉にすると発表。指揮官は会見で「自分の中ではW杯のトロフィーをキャプテンが掲げているシーンがイメージできる。W杯決勝の舞台で日本が戦っているところを、最高の景色としてイメージしたい」と改めてW杯優勝を見据えた。

 その目標設定は果たして実現するのか。武田氏は「高い目標を掲げ、森保監督や選手たちがメッセージを発信するのは良いことだ。例えばベスト8に設定したら、それ以上にはいかない。実現するかどうかは別として、どうすれば優勝できるかというところで逆算して準備をしていくことで、たとえ優勝できなかったとしてもベスト8、ベスト4につながっていく」とその意図を説明する。

 一見すると高すぎる目標かもしれない。ただ、現メンバーの充実度を考えれば決して不可能ではない。武田氏は、欧州チャンピオンズリーグ(CL)が一つの基準とみる。「現実を考えるとCLでベスト8にいくようなクラブのそれぞれで、日本人選手が主力になっているくらいのレベルが欲しい」。今季のCL8強入りクラブで主力でプレーするのはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)のDF伊藤洋輝くらい。アーセナル(イングランド)のDF冨安健洋は負傷で今季はほぼ全休だ。

 それでも10番を背負うMF堂安律(フライブルク)が「全選手が現実的だと感じている。僕は思ったことしか言わない。本当にそう思っている」と語るなど選手は自信満々。武田氏も理解を示す。「現在の代表選手ほぼ全てが欧州でプレーしている。そこで世界基準を知っているから、どれくらいの差があるかわかっているのだと思う。その差は埋められるものだと感じているからこその目標だろうね」

 そして、もう一つのポイントも指摘。「本番までに20歳前後の若い選手が出てくることも必要だね。世界では当たり前になっているから」。ハードルをクリアすれば、その先にはっきりと頂点が見えてくるはずだ。