何かが足りない――。ソフトバンクの宮崎春季キャンプ(生目の杜運動公園)で牧原大成内野手(32)が9日、主力中心のA組メンバーに苦言を呈した。連日、先頭に立ってチームをもり立てる栗原陵矢内野手(28)の存在の大きさを強調した上で「もっと若い選手が活気を出してもいい」とピシャリ。技術向上と一軍生き残りで精いっぱいの若鷹に思いを寄せつつも、アピールポイントである「声」と「活気」の物足りなさを指摘。チームが強くあるためにカツを入れた。

 独自調整を許されている「S組」の柳田、山川、近藤不在の中、牧原大はA組野手最年長。育成入団で今季がプロ15年目となる。率直に「年を重ねるごとに年々きつくなっている。長々と練習することもできなくなってるんで、短時間で集中して振るってことを意識しています」と、今年10月に33歳を迎えるだけに疲労感を否定しなかった。

 S組を除けば競争の真っただ中にいるが、充実の表情からは自信がうかがえる。「ここ数年、ケガというところで(最終的には)ちゃんとした数字は出ていないですけど、それなりに数字は出ている。そこは自信を持って戦っていきたい」。2022年は規定打席にわずか2打席及ばなかったが、打率は3割超え。昨季は右脇腹を痛めて長期離脱した影響で78試合の出場にとどまったが、打率2割8分3厘の数字を残した。持ち味の球際の強さは健在。開幕二塁への自信は揺るがない。

 牧原大は10年育成ドラフト5位でプロの門を叩いた。2010年代のホークスの隆盛期を含め、チームの変遷を目にしてきた一人だ。今も常々「チームが強くあるためには、下からの突き上げが大事。それがあれば主力の危機感が増して、みんなもっと頑張る。そうしてチームが強くなる」と語る。

 だからこそ物足りなさも感じている。「そう感じないですか?」。逆質問するほど、気になっていることがあった。

「やっぱ元気がないのは、ちょっと思うところがあります。もちろん栗原は声を出して頑張ってくれてるのは分かるんですが、栗原よりももっと若い選手がもっと活気を出してきてもいいのかなって。みんなちゃんとやんなきゃいけない、ミスしちゃいけないとか技術だけにとらわれすぎて、まず元気っていうのを忘れていると思うんで。まずは栗原を見習って、もっと声を出してほしいなっていうのはあります」

 23年WBCでは世界一を経験。段階を踏んでステータスを駆け上がってきたからこそ、個人、チームとして必要なものを知っている。強くあるために――。口数が少ない男だけに、インパクトのある苦言だった。