枠外ポスターは問題なし――。東京高等裁判所(後藤健裁判長)は10日、7月の都知事選でポスターを掲示場枠外への掲示を余儀なくされた候補者が出たことで、都選管に選挙無効を求めていた河合悠祐氏の訴えを棄却した。
都知事選では56人の立候補者に対し、ポスター掲示場には48人分しか枠がなく、8人が枠外に掲示するハメとなった。クリアファイルで補強するなどしたが、見た目の悪さや風雨で折れたりするなどで物議を醸した。
立候補した河合氏は枠内に掲示できたものの「候補者を不平等に扱い、憲法や公選法に違反する。重大な手続きの瑕疵があったので選挙を無効にすべき」と都選管に異議申し立てするも棄却され、高裁に訴えていた。
高裁は「選挙をやり直すことは慎重でなければならない。規定違反があっても結果に異動を及ぼすおそれがない場合はやり直す実益がない」と判断。枠外掲示も「見やすさに多少の差異が生じた可能性は否めないが、見やすい場所に設置されなかったとまでは認められない」と公選法には違反しないとした。
選挙無効はまだしもポスターの枠外掲示が不公平である点は認められるとみていた河合氏は「今後もクリアファイルでやっていきましょうね、というお墨付きを与えた。ポスターを貼れないかもしれないという被選挙権、立候補の自由を害するあり得ない判決。日本の民主主義を没却する」とがく然とした。
今後も想定外の数の候補者が立候補したとしても掲示場の枠を増設せずにクリアファイルの配布が横行する恐れもある。ポスター掲示場をデジタル化するデジタルサイネージの導入が問題解決の近道だが、費用面などでハードルは高いとされる。
河合氏は「都知事選があって、衆院選、参院選とそのたびに掲示場を設置している。そんな暇があるならデジタルサイネージを1つ作れば、何年かで回収できる。(今回の判決は)私はいいですけど社会にとって大きな損失。最高裁までやろうと思っている」と、問題提起のためにも上告する考えを明かした。












