【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#588】飛行するタイプのUMAは、当然ながらその体に大きな翼を持っていることが普通である。だが、中には「フライングヒューマノイド」や「フライングホース」など、翼がないにもかかわらず空中を飛んでいるような存在も目撃されている。それらは、実際に人間や馬がUFOにアブラクションされているまさにその瞬間をとらえたものであるという説もあるが、依然として明確に答えが出ているものではない。
そんな翼のない謎の飛行生物として今回ご紹介するのは「オヨ・フリオ」だ。2006年7月2日、メキシコのヌエボ・レオン州で目撃されたこの生物は、さながら空飛ぶ芋虫といったような形状をしたUMAであり、地上からおよそ50メートル地点の上空をうごめいていたという。比較対象する物体が乏しい空中での目撃ではあるものの、その大きさは推定で20~30メートルもあるとみられる。
樹上に暮らし、枝から枝へ滑空して飛び移るトビヘビという蛇は実在しているが、オヨ・フリオは非常にゆっくりと上空を浮遊しており、しかも飛び移れるような木々や建造物なども見当たらない場所であるため、全く別の存在であるとも言えるだろう。
日本では俳優の原田龍二氏がオヨ・フリオとおぼしき存在を目撃したという話が知られている。2019年のある日、愛知県名古屋市内で後輩と共に帰宅している最中、11階建てのビルのすぐ上空を飛行する紫色に光る芋虫のような物体を発見。それは全体を伸縮させながら飛行しており、突如として消えてしまったという。
「スカイワーム」「フライングワーム」「ワーム型UFO」など、似た形状をした存在は世界各地で報告がなされているが、オヨ・フリオとこれらの関連についてはよく分かっていない。
未知の部分が多いオヨ・フリオの最大とも言える謎はその名前にあるだろう。オヨ・フリオとは、スペイン語の「Hoyo Julio」に基づいており、直訳すると「7月の穴」と意味不明だ。なぜ、この名称で呼ばれ出したのかについても、今のところ確認できる出典などがなく、出どころがよく分かっていないのだ。
ただし、オヨ・フリオは先に名前で挙げたフライングワームと共通している部分もある。ミミズのような形状で伸縮しながら空中を浮遊するフライングワームは、その様がオヨ・フリオと酷似していると同時に、その目撃例はメキシコに集中している。
オヨ・フリオの最初と思われる目撃もメキシコであるため、やはり類似した存在であるかもしれない。一説では、類似した形状の中でも太くて短いものを区別してオヨ・フリオと呼んでいるとも考えられるだろう。
こうしたフライング系のUMAは、空中に飛ばされたバルーンの誤認であることがしばしば指摘されている。フライングワームやオヨ・フリオにも、この意見は少なからずあるものの、やはり伸縮しながら飛行しているという点は奇妙と言える。ことによっては、われわれがまだ知り得ていない非常に珍しい自然現象である可能性すらある。オヨ・フリオの謎は深まるばかりだ。
【参考記事】
https://cryptidz.fandom.com/wiki/Hoyo_Julio
https://paranormal-strange.fandom.com/wiki/Hoyo_Julio












