〝番付崩壊〟だ。大相撲春場所は尊富士(24=伊勢ヶ浜)が110年ぶりの新入幕優勝を果たす一方で、上位陣のふがいなさも目立った。

 横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)は腰痛で途中休場。大関陣は霧島が5勝10敗と大負けし、貴景勝(常盤山)は勝ち越しを決めた直後に休場。豊昇龍(立浪)は〝注文相撲〟を連発し、新大関琴ノ若(佐渡ヶ嶽)は尊富士に敗れた。

 横綱審議委員会の山内昌之委員長(東大名誉教授)は25日の会見で「横綱が途中休場する残念な事態。大関陣がいまひとつ活気がない、もしくは不振だった。三役陣が、いとも簡単に下位力士に負けていく。大関は横綱昇進の可能性が遠のくことを意味する」と苦言。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は春場所千秋楽に「横綱がいないとこういう場所になってしまう。大関陣は何が足りなかったのかを考えないと。上位は気合を入れ直してほしい」と上位陣に奮起を求めた。

 芝田山親方(元横綱大乃国)も「横綱は休んでしまったが、小結、関脇、大関の三役が、もっとしっかりとしないと。伝統と文化と格式の中の番付というものが、崩れてしまう。自分は三役ですとか、大関ですとか、横綱ですとか言ってられない状況になってきている。そこは気を引き締めて、今後に向けてもらいたい」と危機感をあらわにした。

〝荒れる春場所〟の結果が、番付社会に暗い影を落としている。