【韓国・ソウル18日発】今や「MLBの救世主」と評しても過言ではない。ドジャース・大谷翔平投手(29)の爆発的な人気ぶりが、20日から2日間にわたって韓国で行われるMLB開幕2連戦(高尺スカイドーム)を前に現地で改めてクローズアップされている。韓国内で「英雄」として名をはせるパドレス・金河成(キム・ハソン=28)内野手の人気をはるかにしのぐほどの存在に上り詰めているからだ。その内情を探ってみると――。

 ドジャースとパドレスは20日からソウルで開幕2連戦を迎える。17、18日には両軍が韓国KBOリーグのキウム(対ドジャースのみ)やLGツインズ(対パドレスのみ)、韓国代表と対戦。2日間にわたって行われたエキシビションマッチはその名の通り、MLBおよびKBOの公式戦に向けた両軍選手の準備や、米韓球界の親睦の意味合いが強かった。

 そうした背景をもとに韓国で開幕シリーズを初開催するMLB(メジャーリーグ機構)としては当初、パドレスで活躍するキム・ハソンを「目玉選手」としてピックアップ。コリアンスターの凱旋で韓国初となるメジャー公式戦を盛り上げる予定だったが、その思惑が「見事に外れてしまった」という。

 顕著な事例が、パドレスのエキシビションマッチでの集客だ。17日に行われた韓国代表との試合は日曜日のナイターだったこともあって、戦前はキム・ハソンの人気ぶりが期待され、超満員が予想されていた。だが、ふたを開けてみると約1万6800人収容の球場には1万2497人しか集まらず「フルハウス」には至らなかった。

 翌18日の対LGツインズ戦に至っては観客数が1万人にすら届かず、大幅に下回って6815人と惨たんたる数字にまで沈んだ。平日のデーゲームという悪条件が重なったとはいえ、MLB関係者も「いくらエキシビションマッチとはいえ、この数字はひどすぎる」と落胆するばかりだった。

大谷翔平のユニホームには「Sold out」のシールが
大谷翔平のユニホームには「Sold out」のシールが

 そんな現地の窮状を救ったのが、何を隠そう大谷だった。訪韓直前に元アスリートの真美子夫人との電撃結婚を発表したことも大きな話題を呼び、大谷の注目度は韓国でも一気に加速。実際に高尺スカイドームに隣接するグッズ売り場も大谷関連商品の売れ行きは右肩上がりの絶好調で、店員の1人が「大谷のグッズは商品を出しては売れる状態。すでに完売しているものもあります」とうれしい悲鳴を上げるなど、公式戦前にもかかわらず大盛況を見せている。

 エキシビションマッチもドジャースは17日デーゲームのキウム戦でほぼ満員の1万4671人を動員。18日ナイター・韓国代表との一戦も1万4856人を記録した。確かにドジャースはメジャー屈指の人気球団だが、今回の韓国における盛況ぶりはどう考えても大谷なしでは語れない。だからこそ前出のMLB関係者もこう指摘する。

「開幕カードのチケットが即完売したことを含め、今回の韓国シリーズは大谷人気のおかげと言っていい。仮に彼が遠征不参加だったら、エキシビションマッチもここまで盛況にならなかったはず。スタンドには多くの韓国人ファンが大谷のユニホームを着て応援していましたからね。ドジャースが10年総額1000億円超えで契約した時は正直、その経済効果を疑いましたが、改めてその人気のすごさが証明された。MLBも大谷人気には感謝してもしきれないぐらいでしょう」

 メジャーリーグ機構に携わる関係者は大谷に足を向けて寝られないだろう。