新時代の主役になれるか――。カーリング女子日本代表のSC軽井沢クラブが世界選手権(16日開幕、カナダ・シドニー)で海外の強豪に挑む。スキップの上野美優(22)は「挑戦者として楽しみつつ、いい結果になれば」と意欲十分。その司令塔は、北京五輪で銀メダルを獲得したロコ・ソラーレに負けない明るさと、妥協を許さない努力家の横顔を併せ持っている。

 大舞台を前にしても、浮足立つ様子はない。初優勝を果たした日本選手権(北海道・札幌)では、ロコ・ソラーレや中部電力などの強豪チームを撃破。チームの大黒柱で確かな実力を兼ね備える上野美は「普段と違う環境で緊張したりだとか、同じようにいかないことがあると思う。その中で試合の入りだったりとか、自分たちの強みにしている明るさとか、最後に合わせる部分をちゃんとできるようにしていくところが大事」と平常心を貫いている。

 日本選手権では要所で的確なドローを決め、日本一の立役者となった。ただ、当の本人は「最初のころは、最後に投げるというプレッシャーにやられていた。もともとメンタルが弱い(苦笑い)」と過去の自分を振り返る。だからこそ「日ごろの練習を積んだりしないと、ただ楽しんでヘラヘラと負けているチームではなかなか難しい部分もある。楽しんでやると同時に、覚悟を持ってやっている」と強い信念をのぞかせた。

 西室雄二ヘッドコーチも、上野美には全幅の信頼を寄せている。「本当に頼れる存在で、試合中も本当に任せられる選手。練習もよくしている。非常に真摯に取り組んでくれていて、試合前の段階でも信頼できる選手」と絶賛。その上で、司令塔が日々の練習に向き合う姿勢を次のように明かした。

公開練習を行ったSC軽井沢クラブの(左から)上野結生、西室淳子、金井亜翠香、上野美優、両川萌音
公開練習を行ったSC軽井沢クラブの(左から)上野結生、西室淳子、金井亜翠香、上野美優、両川萌音

「チーム練習の他に個別練習をしている中でも、自分が納得できるまで投げ込んだりしている。練習の時間はその日によって違うが、自分の中でやりきれないなと思ったら、練習時間を延長したりとか、次の日の練習量を増やしたりしている」。現状に満足せず、貪欲にスキルに磨きをかける取り組みがチームの強さにつながっている。

 その上野美は「練習の時でも自分の調子が上がらなくて苦しい時もたくさんあるが、試合は〝答え〟が出せるご褒美の場所。せっかくの状況を楽しまないともったいない。自分が楽しんで明るくプレーしている方が調子も上がるし、乗じてチームの調子も上がるのであれば、それはすごくいいこと」。努力の成果を楽しみながら発揮できれば、世界の猛者と互角以上に戦えるはずだ。