いったい何が――。退団者が続出する全日本プロレスで、一番の衝撃だったのが石川修司(48)の離脱だ。1月31日付での退団が決まり、所属でのラストマッチとなる27日の東京・八王子大会では同じく同日付で退団するブラックめんそーれと組み、綾部蓮&井上凌と対戦する。ジャンボ鶴田にあこがれ、夢をかなえる形で全日本に入団した心優しき大巨人は、なぜ愛する王道マットを去ることになったのか。退団を決めた真意を明かした。

胸中を語った石川
胸中を語った石川

 ――退団を決めたのは

 石川 引退するまで全日本にいようと思っていたんですけど、昨年末くらいから会社を信じられなくなりまして…。それが一番大きいですね。プロレスをやっているのは全日本のためというウエートが大きかったんですけど、トップが(福田剛紀)社長なわけじゃないですか。戦う何割かがトップのためになるのかと考えると意欲を失ってしまって。レスラーなんで金銭面も大事ですけど、やりがいもあるわけじゃないですか。

 ――契約更改では契約するつもりだった

 石川 その後に短期間で何度も話をひっくり返されることが続いて…。意見が通らないのはいいんですよ。論破してくれれば納得するんですが、その説明がないのが一番悲しいです。20代、30代だったら1~2年は耐えられるけど、48という年齢を考えて、だったら新しいものにチャレンジしたほうがいいという考えに変わった感じです。

 ――福田社長は「アクトレスガールズ」との業務提携を唐突に決め、元日にはバカ殿様の格好で出演した動画をアップ

 石川 自分と諏訪魔さんが(女子プロ団体)エボリューションでやってきたことが理解されないまま、なぜアクトレスガールズを大会に組み込んでいるのか、一番理解できないですね。動画は「何でですか?」と聞いたのに、アンサーがないままアップされたので、議論になっていない。コミュニケーションが取れないまま進んでしまうから、そういうところにもやる気を失われた部分があります。

 ――昨年11月に中嶋勝彦が参戦してから迷走が始まった

 石川 中嶋勝彦がやっていることがおかしいか?と言われたら、確かにおかしいんですけど、レスラーとして表現するのは自由。ただ、外敵じゃないですか。それなのに中嶋勝彦の発信することが、団体の公式SNSから流されたりする。中嶋勝彦はどういう位置にいるの?というクエスチョンはつきますね。

 ――団体はどこに向かっているのか

 石川 ファンあってなのに、社長はどこを見てああいう動画を上げているのかなって。ファンの人は選手を愛してくれているけど、社長は本当にファンを愛しているのかな、ファンに向き合っているのかなと疑問に思います。

 ――志半ばでの退団だ

 石川 無念ですね。新日本プロレスと同じくらいに大きくしたいと思い、できる限りのことをやってきました。昨年から、お客さんの動員数が上がっている中で、こういう形で去るのは悔しいですよ。ファンに愛される団体であってほしいと強く思うので、全日本にはファンを第一に考える団体になってほしいです。

 ――諏訪魔は「全日本にとって大きな損失」とショックを受けている

 石川 一緒に「暴走大巨人」としてやってきた同志なので申し訳なかったですけど、決断に至るまでに何度も話はしていました。諏訪魔さんは生え抜きなので、最後まで団体を守ってほしいです。

 ――27日が所属でのラストマッチだ

 石川 めんそーれも綾部くんも僕が気にかけていたし、井上も自分が入団してから入ってきた選手なので、そういう選手と戦えるのはうれしいですね。思いきり2人の成長を感じたいし、自分とめんそーれも、まだまだいけるぞというのを見せたいです。

 ――2月以降は

 石川 フリーとしていろいろな団体に上がっていって、新しい目標が見えてきたらいいなと。そんなに活躍できる年数は長くないと思いますが、まだまだ自分がいくぞというのを証明できる戦いをしていきたいと思っています。

大巨人はいずこへ…
大巨人はいずこへ…

 ☆いしかわ・しゅうじ 1975年9月25日生まれ。岩手・奥州市出身。2003年6月15日のDDT横浜大会でデビュー。ユニオンプロレスを経て15年から全日本プロレスに参戦した。19年1月に正式な所属となり、諏訪魔との暴走大巨人で「プロレス大賞」最優秀タッグ賞を17年度から3年連続で受賞。必殺技はスプラッシュマウンテン。195センチ、130キロ。

 

【王道マット〝お家騒動〟の経過】全日本は昨年末から大混乱に見舞われている。昨年12月31日付で大森隆男、ヨシ・タツ、木原文人リングアナが退団。1月31日付で石川とBめんそーれが所属を離れる。

 同時に大きな波紋を呼んでいるのが福田社長の迷走だ。団体公式SNSで謎の動画を次々とアップ。元日にはバカ殿様のような姿で新年あいさつをしたため、コメント欄には批判的な意見が殺到した。さらに昨年11月に3冠ヘビー級王座を奪取した中嶋勝彦は「闘魂スタイル」を標榜し、傍若無人な振る舞いを続けている。この事態に選手、スタッフは猛反発。専務取締役を務める諏訪魔の告発により、中嶋を操り全日本乗っ取りをもくろむ黒幕の存在が明らかになった。この黒幕は福田社長の個人アドバイザーと同一人物とされる。