【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#550】カンバーランドと聞くと、かつて少女の背後に宇宙人らしき存在が立っている謎の写真として話題になった「カンバーランドの宇宙人(宇宙飛行士)」を思い浮かべる人もいるだろう。これは英国で起こった話だったが、今回UMA図鑑でご紹介するのは(直接的な歴史的つながりを持ってはいないが)同名の河川を有する米国を舞台としたものである。
アメリカ合衆国南部にあるカンバーランド川は、ミシシッピー川の支流の一つとしてケンタッキー州とテネシー州をまたぐ全長1107キロもの河川である。カンバーランドという名称の命名者である、18世紀の探検家トーマス・ウォーカーが「山並みから流れる美しい谷川」と記しているこの川は、南北戦争において戦闘の舞台になったこともある。また、この川にちなんで名付けられたアメリカ海軍の艦艇も存在しているほどに著名な場所となっているのだ。
2012年9月、動画サイトにカンバーランド川の川岸付近やや上位から撮影されたと思われる映像が投稿された。川の中央付近に向けてズームがなされると、そこにはなんとも奇妙な生物らしき物体が川面に浮いているのである。それは、頭部らしき部分をわずかに水面に出しており、ツノもしくは耳のような突起した部分が見受けられ、さらに目とおぼしき部分も確認できる。しかし、動き出すようなそぶりを全くと言っていいほど見せないでジッとしているのである。
「カンバーランド川の謎の巨大魚」と記す撮影者は、その存在をしばらく観察していたものの「これが何なのか私には分からなかった」としている。動画サイトに投稿し、詳しい人からの意見を募ったが、いくつかのコメントは寄せられたものの決定的な正体の究明には至らなかった。また、彼によるとその生物は全く動く気配がなかった一方で、時折その目が瞬きをしているように見えたとも証言している。
単なるラジコンボートではないのかという意見もある中で、有力な可能性の一つとして挙げられているのは、川に入っている鹿もしくは牛ではないのかというものだ。このことは撮影者も一つの説として抱いている推測ではあったが、泳いでいるようにも見えない様子であったことから、誤って川へ飛び込み水没しかけている動物ではないかとも考えられた。その後しばらくたっても動きを見せることはなかったため、撮影者は観察を切り上げたという。
カンバーランド川は、ブラックバスのほかマスといった魚を釣ることができる魅力的な釣りのスポットともなっており、過去にはチョウザメや巨大ナマズの目撃や捕獲も報告されているという。
だが、映像に映し出された存在の形状と比べるといずれの生物とも異なっているように見える。未発見の水生生物であるのか、それとも川に落ちた鹿や牛などの陸上動物であるのか、真相は結局分からないままだ。













