新横綱誕生はなるか。大相撲初場所は来年1月14日、東京・両国国技館で初日を迎える。11月の九州場所は大関霧島(27=陸奥)が13勝2敗で4場所ぶり2度目の優勝を達成。自身初の年間最多勝(62勝)にも輝いた。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)による連載「がぶりトーク」では初場所の行方を展望。霧島の綱とりに期待を寄せる一方で、この時期に気をつけたい〝落とし穴〟も指摘した。
【秀ノ山親方・がぶりトーク】読者の皆さん、こんにちは! 初場所では大関霧島の綱とりが大きな見どころになると思います。優勝した九州場所では、自分の形になるまで我慢できる辛抱強さと、多彩な攻め手が光りました。少し線が細そうに見えても、しっかりヒザが曲がって腰が重いので、相手に圧力が伝わる相撲が取れる。それが年間最多勝を獲得した安定感にもつながっていますよね。
霧島が次の横綱に最も近い位置にいることは間違いないし、その可能性は大いにあるとみています。一つ気をつけたいのは、力士にとって初場所は体調管理が難しく、調整が乱れがちになることです。他の場所では番付発表から初日まで徐々に状態を上げながら仕上げていけばいいけれど、初場所は年末年始をまたぐ格好になる。
その間に部屋の餅つきや新年会など、いろんな行事ごとがあったりするんですね。部屋の稽古も年末や年明けの元日、2日あたりは休みにするところが多く、力士を里帰りさせるところもある。ここで調整のペースを崩さないためにも、まずは新たな一年に向けてしっかりと目標を立てること。そうすれば、おのずとやるべきことが見えてくるはずです。
自分が優勝(2016年初場所)した時も、そうでした。「皆が休んでいる時期だからこそ、体を動かしておこう」と考えて、元日も休まずにずっとトレーニングを続けていた。それが自信にもつながり、結果を残すことができました。昔から「力士の正月は初場所が終わってから」とよく言われます。改めて肝に銘じて、霧島には万全の状態で本番を迎えてもらいたいですね。
もちろん、ほかの2人の大関も「先に上げさせてなるものか」という強い気持ちで臨んでくるはず。貴景勝は自分の押し相撲を磨いてきた結果が、今年の優勝2回という結果につながりました。豊昇龍は新大関だった秋場所で苦しんだけど、2場所経験したことで地位にも慣れてきたと思う。両大関も当然、優勝を狙ってくるし、霧島との対戦では意地と意地のぶつかり合いにも注目です。
最後に、3場所連続で休場している横綱照ノ富士についても触れておきます。腰の状態がどこまで回復しているかは分かりませんが、横綱としての役割や使命は理解しているはず。出場する場合は、万全に近い状態まで仕上げてくると思います。あとは下から突き上げがある中で、集中力を切らさずに臨むことができるか。これまで何度も試練を乗り越えてきた強い精神力で、復活する姿を見せてほしいですね。
新年最初の場所は、新横綱や新大関が誕生する期待だけでなく、若手にも勢いがある。力士たちは大いに場所を盛り上げてくれると思います。それではまた!(随時掲載)













