自動車業界はとんでもない1年となったようだ。ダイハツ工業は20日会見し、安全性確認の試験などで不正があったとして、国内外で販売する全車種の出荷を停止すると発表した。

 今年は中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求事件が起き、業界は大揺れとなった中、トヨタ自動車の完全子会社による不祥事で、追い打ちをかける事態となった。

 ダイハツの不正問題は今年4月に内部通報で発覚。第三者委員会を設置すると同時にロッキーのハイブリッド車などの生産を停止していた。この日、第三者委の報告書で、不正は従来の6車種から64車種に拡大。衝撃に対する安全性を調べる試験で、不正なデータ提出などが判明した。ダイハツはトヨタやマツダ、SUBARUにOEM(ダイハツ製造のブランド替え)を提供していて、64車種にはトヨタ向けの22車種も含まれる。

 自動車業界への信頼を失墜させる不祥事となったが、関わり合いながらも売り抜けた人もいる。キャスターの辛坊治郎氏はこの日、自身のユーチューブチャンネルで、問題車種となったダイハツのロッキーを今年6月に買い替えで手放し、その売却先はビッグモーターだったことを明かした。

「ロッキーをビッグモーターに持っていったらけっこうな高値で買い取ってくれた。自分に関係するビッグモーターとロッキーが両方ニュースになるか。当たり年です」と苦笑いするしかなかった。

 トヨタ向けOEMのライズとルーミーは新車の販売ランキングで2020~22年まで3年連続でベスト10入り、ダイハツのタントは軽自動車で同時期で3年連続ベスト3入りの人気車種で、ビッグモーターは中古車市場の売上数トップだった。多くのユーザーがなじみだったとはいえ、辛坊氏とは逆につかまされた人は多く、影響も大きい。

 対象車種を注文していたとしても取り消しになる公算が大きい。ただでさえ供給不足で、納車まで待ちぼうけを食らっているユーザーからは先行きが見通せずに悲鳴が上がる。一方で、ダイハツ車のユーザーは「すでに購入した車に対しての補償は分からないまま。今後、中古車で売る時に大幅に値下がりしかねないか心配」と不安をこぼした。