岸田内閣の支持率が危険水域になった。時事通信の最新世論調査によると、岸田内閣の支持率は17・1%と前回調査より4・2ポイントも下げた。2009年の麻生内閣以来の数字で、まるで政権交代前夜のよう。裏金問題では安倍派議員が「キックバックは文化」と発言してひんしゅくを買うなど上がり目はナシ。火の玉になるという岸田文雄首相はどこに向かっているのか。
岸田内閣にとって大ダメージとなっているのが自民党安倍派を筆頭に各派閥で明らかになった政治資金パーティーを巡る裏金問題だ。松野博一前官房長官を交代させるなど対応に追われた。この問題では安倍派と二階派に東京地検特捜部の捜査が入る見込みで、騒動は拡大の一途だ。
さらに、15日には総務相を辞めたばかりの安倍派議員、鈴木淳司衆院議員が60万円のキックバックがあったと告白。「(キックバックは)この世界で文化という認識があった」と、かつて石田純一がしたとされる「不倫は文化」まがいの驚くべき発言をして批判を浴びている。こうした発言が岸田政権へのダメージとして蓄積されていくのは間違いない。
とはいえ安倍派の問題だけではない。岸田氏は〝増税メガネ〟とやゆされるなど増税のイメージが染みついてしまっている。異次元の少子化対策として発表した支援金制度や、子供3人以上の多子世帯を対象にした大学授業料無償化案も評判がよろしくない。岸田氏自身が何をやっても批判される悪循環に突入している。
それでも岸田氏はどこ吹く風といった様子だ。国会閉会後の記者会見では「国民の信頼回復に向け、火の玉となって取り組んでいく」と裏金問題の解決に意気込んでいた。
辞める気はなさそうだ。永田町関係者は「首相交代を言う人がいるけど、首相を辞めさせるって簡単ではないんです。菅直人氏の時も大変だったでしょ」と指摘。菅直人元首相は東日本大震災や原発への対応が批判され辞任論が叫ばれていたが、粘りに粘って、こだわりの再生可能エネルギー特別措置法の成立と引き換えにようやく退陣していた。
「菅氏のようにやりたい政策があれば取り引きにもなるが、岸田氏にそれはあるのか。岸田氏はこだわりの政策があるタイプではなく、一日でも長く首相をやりたいタイプ。大平正芳首相や宮沢喜一首相の在職日数も超え、もっと上の池田勇人首相を目指している。モチベーションはここだろう」(同)
大平氏、宮沢氏、池田氏は岸田氏にとって宏池会の大先輩。特に岸田氏は令和版所得倍増計画を掲げていたように、昭和に所得倍増計画を訴えた池田氏への意識は強い。
岸田氏の首相在職日数は800日を超えており、大平氏の554日と宮沢氏の644日は超えた。宏池会出身の首相ではほかに鈴木善幸氏が864日、池田氏が1575日となっている。
鈴木氏超えなら約2か月後に達成できるが、池田氏超えとなると、まだまだ辞められないのだ。












