50回目の節目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2023年度プロレス大賞」選考委員会が12日に行われ、年間最高試合賞(ベストバウト)は、元日のノア日本武道館大会で行われたWWE・中邑真輔(43)と〝魔界の住人〟グレート・ムタの異次元マッチに決まった。中邑の同賞受賞は9年ぶり3度目で、WWE所属選手としては初のプロレス大賞受賞。初受賞となったムタの代理人で、2月に現役を引退した武藤敬司(60)が喜びを語った。

 自身も3度のベストバウト獲得経験がある武藤は、化身の受賞を「率直にうれしいよな。あの試合って、本当に奇跡が重なって実現した試合だったからさ。ムタもこれで心置きなく魔界にいられると思うよ」と語った。

 試合はWWEメインロースターながら、特例が重なり他団体参戦が実現した中邑とムタが文字通り異次元の戦いを展開した。白装束を思わせるコスチュームで入場した中邑に、ムタは2発の毒霧を噴射。だが、3発目をリップロックで吸い取られて逆噴射され、キンシャサ弾で3カウントを奪われた。

ベストバウトは元日の異次元対決「中邑真輔VSグレート・ムタ」
ベストバウトは元日の異次元対決「中邑真輔VSグレート・ムタ」

 選考委員から「1試合で映画を見ている感覚」など高く評価されたことを、武藤は「俺はよく試合を『アート』って呼んでるんだけどね。そういうアートを日本のファンに分かってもらえたことがうれしい。アートって、一歩間違えばマスターベーション(自己満足)になっちまうんだよ。それがそうならずにしっかり伝わったってことだからね」と笑顔を見せた。

 また、対戦相手を務めた中邑には「今は非常にグローバルな時代じゃん? その中で、野球の大谷(翔平)じゃないけど、真輔を見てプロレスラーを志す子供が増えるように頑張ってほしいよ。俺はもう新しい作品はつくれねえからさ」とエール。その上で「今のまま真輔が頑張れば、そのうち日本のプロレスを経由しないで、そのままアメリカに行くような選手が出てくるんじゃねえか?」と期待をかけた。