西武が堅実な現有戦力の底上げでV戦線浮上を狙う。松井稼頭央監督(48)は28日に東京都内の西武ホールディングス本社を訪れ、後藤高志オーナー(74)に今季のシーズン報告を行った。

 松井監督の就任1年目は借金12のシーズン5位で終了。それでも後藤オーナーは若手育成面を評価し「西武グループを挙げて松井体制をサポートしていく。課題としては野手の底上げ。大砲クラスのバッターが欲しい。抑えのところも考えて外国人選手を検討している。おカネのことは心配しなくていい」とバックアップ補強を約束した。

 だが、外国人選手ばかりはフタを開けてみないと分からない。松井監督が「投手と打者、どこを上げていかないといけないのか。そこを含めて秋のキャンプでやってきた」と語る通り「一軍半クラス」の底上げを今後も継続していくしかない。

 そうした状況下で期待がかかるのが佐藤龍世内野手(26)だ。この日は埼玉・所沢の球団事務所で契約更改交渉に臨み、倍増の2200万円(推定)で更改。得点力不足が深刻な野手陣の中で9月には打率2割9分3厘、23四球で出塁率4割6分5厘と覚醒の兆しを見せた。

 西武在籍時から兄貴分と慕うオリックス・森友哉捕手(28)の旧背番号「10」が与えられることも決まり「シンプルにうれしい」とコメント。ただ、そんな佐藤龍には〝黒歴史〟もある。2020年にコロナ禍の外出禁止令を破り、首都高山手トンネル内で自ら運転する自動車が89キロオーバーの道交法違反を犯し、免許取り消し処分。懲役3月、執行猶予2年の判決も受け、当時は激しいバッシングを浴びた。

 しかし、その後は猛省しながら〝再起ロード〟を歩み、日本ハムへのトレード移籍を経て翌22年オフに古巣・西武へUターン。チーム内でも着実に存在感を強めつつあり、今オフには同じ富士大の先輩・外崎が新選手会長となって自らも副会長に抜てきされた。

 もう一人の富士大OB・山川穂高内野手(32)は不祥事後のFA宣言で逆風にさらされてしまっているが…。外崎、そして佐藤龍は古巣に忠誠を誓うことで富士大の名声を世に高めている。