大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」(さいたまスーパーアリーナ)で、主役と目されていた2選手が消えた。19日の「FIGHT CLUB」でYA―MANに衝撃の77秒KO負けを喫した朝倉未来(31)と、ドーピング検査の結果がまたも陽性だった木村〝フィリップ〟ミノル(30=ブラジル)だ。目玉を失ったRIZINの榊原信行CEO(60)は、2人の再起ロードをどう描いているのか――。

 YA―MANとキックボクシングルールで対戦した未来は、なすすべなく敗北。一時は引退を表明する事態となった。榊原CEOは「言わんこっちゃないっていう感じですよ。『朝倉未来』というブランドを安売りしすぎ」と厳しい言葉ながらも、「未来は長男なんで、意外に頼まれると断れないんです。YA―MANとかに頼まれて軽返事しちゃったんだろうな」と心中を察した。

 完敗した未来には今後のキャリアを心配する声が上がっているが、榊原CEOは「全然再生させられますよ」と語気を強める。その理由として「人のハートを揺さぶれるじゃないですか。実際、試合後は勝ったYA―MANではなく、未来がすべて(話題を)持っていった。そこはプロとして圧倒的な力なので」と説明した。

 ただし、復帰の時期は慎重に見極める。7月のRIZINではヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)に敗れていることから「それにしても負けすぎでしょう。客観的に見ているファンから『未来は終わった』と言われてもしょうがない」と感じるからだ。「半年以上空いちゃうのは得策ではない。5月から6月までには復帰してくるべきなのかなと」とした。

 一方、もう一人の目玉だった木村には再び裏切られた形だ。6月のドーピング検査が陽性で半年間のRIZIN出場停止処分を科し、今月11日に大みそか決戦で安保瑠輝也相手に復帰戦を行うと発表したばかりだった。

「周りにも木村本人にも『問題ないです』と言われカードを組んで発表して、また陽性なの?と。2回だまされているので、逆に『こうなったら是が非でも組んでやる』くらいの感じですよ」

 ドーピング検査が陰性だったらという条件付きだったとはいえ、結果が出る前にカードを決めた主催者側にも厳しい声が上がっているのも事実。それでも「今は賛否含めて議論することが大事な過渡期です。今回『また陽性なの?』『何で先に調べてから発表しないんだ』というのでみんなが問題視するから、決してマイナスではないと思います」と主張した。

 次のドーピング検査は半年近くは空ける方針で「さすがに僕らも3回目はないから」。大みそかから名前は消えたものの、2選手は来年も話題の中心になりそうだ。