先輩大関の採点は? 大相撲春場所3日目(12日、大阪府立体育会館)、新大関琴ノ若(26=佐渡ヶ嶽)が小結錦木(33=伊勢ノ海)を突き出して2勝目(1敗)。大関デビューとしては、まずまずの滑り出しを見せている。兄弟子で元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40=本紙評論家)は、琴ノ若の相撲をズバリ診断。序盤で見えた課題を指摘した上で、念願の初優勝の可能性を占った。
新大関が連敗を回避して白星を先行させた。初日に横綱照ノ富士(伊勢ヶ浜)を撃破した錦木との顔合わせ。琴ノ若は右四つの体勢から巻き替えて左もこじ入れると、相手が下がったところで一気に突き出した。取組後は「落ち着いて取れたと思います。その日の一番のためにやっている。できることを最大限やるだけ」と淡々とした口ぶりで振り返った。
この日の琴ノ若について、秀ノ山親方は「錦木との差し手争いで、しっかり我慢して差し勝った。普段通り慌てずにいけたのでは。優勝を狙うには連敗しないことが絶対条件。星を落とした翌日にしっかり勝ち切ったことで、流れに乗っていける」と評価。ただ、琴ノ若が持つ本来の力を発揮するには、まだ改善の余地があるとも感じている。
「(2日目に完敗した)朝乃山戦は硬さがあって上体も高く、相手の鋭い踏み込みをさばき切れなかった。新大関で迎えた場所で多くの期待を背負いながら、そこに応えなきゃいけないという意識が働いたのでは。負けられないと思うと、体が硬くなって小手先だけの相撲になる。これまでと同じように、挑戦者の気持ちで臨めばいい」とアドバイスを送った。
大関の地位に就いたことで守りの姿勢に入るのではなく、攻めの気持ちを貫けば自然と結果はついてくるというわけだ。その上で「相手に勝つことよりも先に、自分の感覚を大切にして相撲を取ること。他の大関陣と比べても、安定感は琴ノ若が一番あると思う。ここから星を伸ばしていけば、まだまだ十分に優勝のチャンスがある」と期待を寄せた。
今場所後に祖父で元横綱の「琴桜」へ改名を控える新大関にとって、今回は「琴ノ若」のしこ名で優勝を果たすラストチャンスでもある。すでに横綱大関陣の全勝が消え、賜杯レースは混戦模様。〝荒れる春場所〟を制し、有終の美を飾ることができるか。












