森保ジャパンで注目される選手の〝酷使問題〟が、世界でも深刻化して批判の的になっている。

 日本代表では欧州組の過密日程や長距離移動による負担が話題となっている。11月の活動では代表発表後にMF三笘薫(ブライトン)など負傷離脱が続出し、16日のミャンマー戦後にはMF鎌田大地(ラツィオ)も腰痛で離脱した。

 そうした状況を受けて主力の定期的な招集見送りやベストメンバー不要論などが高まっているが、他国でも代表選手の酷使問題が物議を醸している。

 スペイン紙「アス」は「FIFA(国際サッカー連盟)ウイルスがリーグを引き裂く」と題して、代表活動に参加した選手に負傷者が続出する状況を特集。「この表現は、代表での試合後に選手がけがや過労によりクラブチームが被る影響を指す」と指摘し、今月の代表活動で同国リーグ所属のブラジル代表FWビニシウス、フランス代表DFエドアルド・カマビンガ(ともにレアル・マドリード)、ドイツ代表GKマルクアンドレ・テアシュテーゲン(バルセロナ)、スペイン代表FWミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダード)などの負傷を列挙した。

 サウジアラビアメディア「hihi2」も同国1部アルヒラルのブラジル代表FWネイマールが10月のウルグアイ戦で左ヒザの重傷を負ったことで「FIFAウイルス…皆を悩ませ続ける亡霊」と批判。ノルウェー代表FWエーリングブラウト・ハーランド(マンチェスター・シティー)など世界的スターに負傷者が相次ぐ状況を強調した。

 森保一監督は北中米W杯アジア2次予選シリア戦(21日、サウジアラビア・ジッダ)を前に「常に選手のコンディションや置かれた状況を見て起用しないといけない」と言及。代表戦のあり方は今後さらに議論を呼びそうだ。