森保ジャパンで欧州組の〝酷使問題〟が物議を醸している。日本サッカー協会は8日、2026年北中米W杯アジア2次予選ミャンマー戦(16日、大阪)とシリア戦(21日、ジッダ)に臨む日本代表メンバー26人を発表した。一部の主力が過密日程を強いられ、代表活動で毎回ベストメンバーを招集する森保一監督(55)の方針には疑問の声も高まっている。元日本代表MF前園真聖氏(50=本紙評論家)の見解は――。

 森保ジャパンの酷使問題が注目を集めたのは、前回10月の活動だった。

 MF久保建英(22=レアル・ソシエダード)がクラブで過密日程が続き、代表活動の際は長距離移動や時差の負担も強いられることから「ずっと出ている選手は、いつかケガをしてしまう」などと本音を吐露。活動最終日の同17日チュニジア戦後にも「きついですね…。コンディション面をどう折り合いを付けていくか」と重ねて不安を口にした。

 選手からの声を受けて、森保ジャパンの活動で毎回ベストメンバーを招集する現状を疑問視する意見が噴出。11月の2連戦はW杯予選で公式戦にあたるとはいえ、アジア2次予選はお世辞にもレベルが高いとは言えず、これまでも大差で勝つケースが多かった。欧州組の強豪に所属する主力選手たちが大きな負担を強いられながら、わざわざ参加する必要があるのかファンやサポーターの間でも賛否両論が沸き起こっている。

 そうした中で森保監督は、10月にコンディション不良で不参加だったMF三笘薫(ブライトン)、MF堂安律(フライブルク)、MF鎌田大地(ラツィオ)らを招集した。

 会見ではベストメンバーが不要との論調に「同じ経験を共有しながら前進していくことで、よりチームの結束力が高まる」と〝反論〟。酷使の懸念にも「ケガのリスクも最大限に考慮した上で、起用する、休ませるなど招集してから考えられる」と主張した。

 前園氏は「W杯予選はやはり公式戦なので、相手をリスペクトして臨まないといけないですし、ある程度はベストメンバーで臨みたいところでしょう。予選は甘くありませんし、絶対に勝てるわけではありませんから」との見解。勝利が求められるW杯予選では、格下相手でも油断することなくベストメンバーが必要という森保監督の方針を支持した。

 一方で、10月のように親善試合のケースでは一考の余地があると指摘。「久保が言っているように選手たちは疲労もあり、移動も含めて負担が大きいです。ケガにつながるのはよくありません。欧州組が多いので欧州の試合開催を増やしたり、国内の試合ならばJリーグ勢も良い選手がたくさんいます。もう少しうまくできるのでは。これからの日本サッカーの課題となるでしょう」と〝選手ファースト〟を重視するよう提言した。

 欧州で活躍する選手が増えたことでより注目が集まる酷使問題。今後も議論が続きそうだ。